第2話

優しい嘘
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2020/07/26 10:18


「今日何処どこに行きます?葉月先輩!」






久しぶりに先輩と遊べる事になって

無邪気にはしゃぐ私に先輩は困ったような

笑いを浮かべ、

でも言ってくれる。



「夕方までには帰らないと。私門限もんげんがあるから」




優しい嘘。





先輩の門限もんげんはもっと遅い事を

私は知っている。


だから余計に虚しいし悲しい気持ちになる。




「そうなんですか?門限早くないですか!」

さも初めて聞いたふうに答える。


そうしなければきっと駄目になるから。








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