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第2話

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2021/02/25 10:04
昨日は同級生は勿論。後輩や先輩からも質問責めをされ、見事に律くんのテレビは見れなかった。
少し補足をすると、“1秒も”見れなかった。
最悪以上の言葉が見つからないが、温厚ではない私はキレた。
まあ、その話はこの辺で良いや。思い出すだけでイライラしてくる。

その翌日である今日。学校へ行くことが久しぶりに憂鬱だ。
別に、質問責めをされることが嫌なのではない。君塚優から話しかけられることも、まあ、良いとしよう。
私が嫌なのは、君塚優大好き同窓会メンバーから何を言われ、何をされるのか、だ。
いやぁ~、絶対女子トイレで虐められるじゃん?あのよく恋愛漫画でよくある、ヒロインが「私の○○くんに近づかないで!!」って言われて殴られる、的な。
何度か経験していることだが、慣れること一生ないだろう。
ほんっとに嫌なんだけど。
「あなた!遅刻しちゃうわよ!!」
「今日は学校行きたくない」
「はぁ!?行きなさいよ!」
駄目だ。このお母さんモンスターが許すわけがない。
「はぁい…」
「ほら!弁当!」
「ありがと」
「行ってらっしゃい!」
「行ってきます」

学校へ行けば、案の定、呼び出しを食らった。
「茅野ちゃん。私が何言いたいか、分かるよねぇ?」
うわぁ。言い方うざいね、君。
「少女漫画の実写化したいんでしょ?」
「何の話してんの、お前」
「え?今から私の優くんに近づかないでよ!とか言って私のこと殴るんでしょ?」
「っ…」
おぉ。息詰まったぁ。ビンゴじゃん。
「少女漫画でよくある展開じゃん?」
「調子乗ってんの?」
「いや?あいつ、失恋してるわけじゃん?
そこに溶け込めば、君塚があんたに惚れる説あるんじゃね?」
「…確かに」
「行ってくれば?」
「うん。行ってくる」
「行ってらっしゃーい」
……。
え?意外と単純だね。何でそんなにすぐ納得できんの?尊敬するわぁ。

やっと昼だよ…。
何で授業間休みにもギャラリーが集まるわけ?休めねぇよ。
屋上行くか。屋上は私しか入れないから、
ラッキープレイス!ってわけ。
てなわけで、
「いただきまーす!」
相変わらず、栄養の偏りのない、いや、なさすぎる弁当。栄養士の資格を持っているお母さんは、食事に厳しい。それが返ってうざい。でも、そのお陰で私は幼稚園生の頃から皆勤賞を取り続けている。
なんか、複雑だなぁ。とぼんやり空を眺める。
パシャ
私のカメラロールにたまっていく空模様は、私の心を癒してくれる。

キーンコーンカーンコーン
授業5分前の予鐘が鳴った。
次の授業は、国語。国語の教科担当である、佐々木力也先生は、ザ・昭和な先生。
怒ったらものすごく怖い。
仕方ない。
「行くか…。」
ため息を一つついて屋上を出る。

この憂鬱な一日はいつ終わるのだろうか。

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