樹side
俺は決めた。
今からあなたちゃんに告白する。
もう後戻りはしない。
自分の気持ちを素直に伝えよう。
樹)あのさ、あなたちゃん。
あなた)なに?
言うんだ、うん。
樹)俺、あなたちゃんが好きだ。
あなた)私もだよ笑
あなた)私もペンギン好きー
ん、なんか勘違いしてないか?
恋愛としての好きって伝わってないのかな
うわ、どうしよ。
あなた)てかさ、ペンギンって、“告白”ってどういうことか知ってる?
へ?いや今のが告白ですけど?
あなた)私ね、ある人と話してるとここがドキドキするの。
え、急になに?
あなた)でね、お兄ちゃんに聞いたらね、それはその人のことが好きってことなんじゃない?って言われたの
樹)うん
あなた)でね、じゃあどうすればいいの?って聞いたらね、告白すればいいんだよ、って言われたんだけどさ、告白ってどういうこと?何をすればいいの?
樹)んー、なんだろね
いやこれ説明しにくくない?
そして俺が今告白したことは忘れられてる?
え、どーすればいいんですかー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!