第12話

麒麟夜話②
74
2022/08/14 17:49




「(ふたりの男と、人間に化けた麒麟を前に)だいたいオマエらさ、オレのこと好き過ぎなんだよ!
ふつうさ、寝る前の15分とか30分、運動してスッキリして気持ち良く眠る、ってのが普通なのに、オマエら、なんなんだよ?!
毎回時間かけて、自分が1回スッキリ終わる前に、2回も3回もオレをイかせようとしやがって!
オレだって1回イけば充分だっての!」


「それはっ!」


「あなたが感じ過ぎるんやもん、仕方ないんやないか?」


「なにが感じ過ぎるだ!
やめろって言っても愛撫すんのやめないくせに!
こっちは、1回イくと、あちこち敏感になっちゃうんだよ?
しょーがないじゃんか!
おとなしく1回ヤって満足しろよ!
オレのことはどーでもいいの!
自分の快感だけ考えてろ!」


「僕は1回で満足してるけど?」


「だからッッ!
オレを何度もイかせようとしないでだな」


「別に、何度もイかせる気はないよ?
ただ、涙と涎でぐちゃぐちゃになって喘がれると、もっともっと触りたくなるから、結果としてそうなるだけで。
あなただって気持ち良いの、好きでしょ?」


「好き……だけど、1回でいいんだって……(だんだん声に勢いがなくなって)」


「でもなぁ、ボクは正直、1回ではおさまらんのや。
まず口でやってもろて出してからでないと、すぐ終わってまうやん?
後ろ、ある程度抽送繰り返してから奥に出すやろ?
そうすっと、あなたの体、トロトロに溶けるんやよな。
やから、3回目になって初めて、本気でグラインドできるし、その気持ち良いことって、身体中の骨が溶けるかと思うやん?
まあ、その間に、何度も爆ぜさせてまうのは……ちょっとは可哀想やと思てる」


「そんなんしてたの?
なんかズルいじゃん(むう)。
彼の負担考えて順番にしようって言ったくせに。
こっちは、彼の為にできるだけセーブしようって頑張ってたのにさ」


「いや大丈夫、オマエも充分ガツガツ来てっから」


ここまで、黙って話を聞いてた麒麟くんは、無邪気に質問した。


「そもそもふたりは、どうして、わがきみと一緒にいることになったの?
別に俺みたく、なんかのチカラを持った御使いや精霊が人間になった、とかでは無いんでしょ?」


「違うよ?
僕たちは、ただの人間。
彼に惚れ込まれて、口説かれて、今、一緒にいるんだ」


「せやな。
ボクも、一緒に生きていこうって、めっちゃ熱く……」


「オレの隣にいてくれ、って。
オマエはオレのシンメになってくれって。
どうしようかな、って迷ってたら、好きだ、って抱きしめてきたから、それなら、って、いただいてしまったのがキッカケ」


「ボクもや。
生まれ変わったらオマエになりたい、大好きやゆーて、ハグされたから、そんならってキスしたら、腕の中でくたって、溶けたやんな。
そっから導かれるように体をつないでもうた。
そんでも最初のうちは、ここまで敏感じゃなかったけど。
今じゃ、後ろの穴の形もすっかり変わって縦割れになって、挿れるだけで悦ぶようになったし……」


「そうなの?
わがきみ?(じっと見つめる)」


「あ……ッ、でもオレ、オレは最初そこまで……(しどろもどろ)」


「体つなぐ気は無かった?」


ぶんぶんと頭を縦に振る。


「でも立派に口説いてるしねぇ」


「オマエらな、男なら、出すのがどんだけ疲れるかわかっだろ?
過ぎたるは及ばざるがごとしっつーんだよ!
おまけに、オレもう独りで穏やかに寝たいのに、こんな、デカい子どもみたいな変なのに懐かれてさ。
独り寝どころか抱き枕にされてんじゃねーか。
それでもまあ、体も心も子どもみたいだから、新しいペットって思おうとしたのよ。
したら、いきなりオトナになって襲ってくんの!
なんか、ちょー反則じゃんか!」


「そーだそーだ」


「ボクらの取り分が減るのは納得でけへん」


「ちょ、なに、いきなり俺への攻撃になってんの?
だいたいあんたたち、独占欲っつーもんは無いの?
普通に考えたらフタマタだよ?」


「だっ……て、オレ、ふたりとも大好きだからッ///」


「独占すると、独占されるから、僕はまあ、今のままでも不満はない。
僕、背高のことも大好きだし……」


「(ドギマギと頬を染めて)え、そやったん?
ボクてっきり疎ましがられてるんやと……」


「んなわけ無いじゃん。
疎ましかったらここまで彼を分け合えないよ」


「じゃー独占欲は解決、っと。
俺は、どんなわがきみでも好き。
てか、もう今世はわがきみのものになっちゃったから、俺がそばにいることは諦めてもらって」


「なんだよそれぇ(泣)
オレはただ尻尾握っただけじゃんっ」


「普通は何があっても、シッポ握らせたりしないんだけど、それができたって、不思議だよねぇ。
あなたただ、パンをくわえてただけなのよ。
それがものすごく美味しそうに見えてたまんなかったんだよね。
ま、こうなったら俺は、わがきみが誰とどんだけつながろうと、全て込みで、笑顔を呼び込むだけだもん。
まあ、当面の問題は……腎虚を起こさせない愛し合いかたかー」


(3人声をそろえて)「じんきょ?」


「精を出し過ぎて疲れ過ぎて生命を削っちゃう状況のこと。
早い話が、ヤリ過ぎると早死にするの。
跡継ぎ必要な王様や、酒池肉林に溺れる皇帝に良くあるんだよねー。
だから、1回しかしないように、見張りが付いたりするわけ」


「公開セックスなんてヤッ!」


「うん(笑)。
プライベートは大切。
なので、わがきみには、出さずにイくことをおぼえてもらおっかなー」


(3人声をそろえて)「出さずにイく?」


「3人とも若いから大丈夫だと思うけど、念のためね」


「おまえ、こないだまで何も知らなかったのに、いきなりどしたんだよ?」


「神様の、禁断のりんごネットワーク使って、色々と調べてみたの。
人間が俺と交わると、体の不調を治し、ちょっとだけど寿命も延ばすことができるんだってこともわかった。
だからわがきみ今、こんなしゃべれるぐらい元気なんだよね。
昨日俺と番ったから。
みんな、俺とは疲労倦怠の治療目的でヤればいいよ。
俺、ふたりのことも大好きになってきたからちゃんと番えると思ーよ?
そんでわがきみはー……(じっ)」


「(どきっ)な、なんだよ?」


ちゅーっ。


「はー、可愛い」


「おいっ?」


「抜けがけ禁止や!」


「だって、可愛くて。
もーずうっと舐めてたいぐらい」


「それ、みんな一緒だから!」


「あっ!
オマエ、何おっきくしてんのや!」


「わがきみにちゅーするとこーなんだって最近知ったの」


「(ゴクッ)でか!
こんなんでやられちゃったの?」


「な?
な?
かあいそーだろ、オレ?(必死)」


「……自業自得……かもしれない(ぼそっ)」


「麒麟、なんやもんな……」


「んーとー、明日は西湖街のお祭りで歌って御祝儀もらえることになってるから、今日は移動だけだね。
んじゃ、訓練始めよか」


(3人声をそろえて)「訓練?」


「(天使のような笑顔で)そ。
出さずにイく訓練。
快過ぎる刺激を与えられると、出すヒマもなく体が絶頂すんだって。
しかもなが〜く。
女性って出さずにイくでしょ?
それとおんなじ。
その為には絶えず快感を与えなきゃなんないから、1対1だとムズカシーじゃん?
だからイきかたおぼえるまで、しばらくはみんなでやれば良くない?
最初はうまくいかないだろうから、出せないように縛っちゃうね?(悪魔)」


「(怖がって)やだっ」


「なるほどぉ。
それなら、毎日いつでも?」


「(にこっ)うん。
わがきみの体調は、ちゃんとみんなで気づかっていこ?」


「オレのっ!
オレの意志はっっ?!」


「もちろん最優先!」


「じゃあ、ヤ(むぐっ)」


キスで口を封じて、ふたりにやれ!と目配せをする麒麟くん。
ふたりは両手を伸ばし両方の胸の飾りを刺激し始める……。

















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