…暇だ
滅茶苦茶暇だ
敦くんも、国木田くんも、
何なら全員、社長まで
もう帰っている
今の時間は、夜中の0時を少し上回ったくらい
今日はもう仕事を終えた
後は帰ればいいだけの話だけど、
…この人が、私に帰るなという圧を掛けている
そう、太宰治
よく分からないのだけど、私に付き纏ってくる
滅茶苦茶鬱陶しいんだけど、…
…なんか、恨めないというか、…憎めないというか、…
…イケメンなのよ、正直言って
性格はぶっ飛んでるけど(((←
なんかさ、息をしているイケメンに滅茶苦茶付き纏われたら
なんか、…嬉しい?と言うか、
人生勝ち組やん?????(((←
あれか?なんか膝に相手の頭を乗っけるやつ、…
…そんなのの、何がいいんだろ、…?
まぁ、…駄目じゃないから良いけど、
目を輝かせながら、顔をズイッ、と近づける太宰
うわぁっ、…やっぱり顔整ってるなぁ、…
えっ?そんな嬉しいの、膝枕って?
何かを思い出したかのように、話しかける太宰
急に太宰の声が、ドス黒い低音ボイスになる
…心の中でも、読めているのかなぁ、…?
やばっ、…少し緊張してきた、…
そっそんなに膝枕って凄いのっ!?!?!?
そう言いかけた途中、
太宰さんがペロッと私の太ももを舐めた
そう悪戯っぽく言いながら、
太ももから顔を顔を少し上げ、
腰に手を回し、
手首、腕、首
色んな所に、触れるだけの接吻をされた
ドサッ!!!
太宰の声が、又さっきの低い声に戻った
おまけに押し倒され、身動きが取れない状態
それに、手首はキツく握られており、
振り解くことは難しい
…此れが、絶体絶命っ、…て奴?
太宰の目が、ハート型になっているのに気が付いた
…そんな理由なんか、分からない儘
そう言うと同時に、
太宰が私の首元に顔を埋めた
あまりにも吃驚し過ぎて状況が理解出来なかったが、
その後すぐ、首が少しだけチクッとした
…明らかに、様子が可笑しい…
何時もは、こんなんじゃ無いのにっ…
さっき迄「帰るなオーラ」を出してたのにっ!?(((←
う〜ん、…やっぱり太宰の事、いまいち分かんないなぁ、…?
まぁ、…此れで我が愛しのマイホームに帰って蒲団で寝れるっ!!!!!!!!!(((←
ふっふっふ、…其う!私は隠れニートだっ!!!(((違う
さぁ〜て、早く帰ろ帰ろ〜!✨
…んんんんんんんんん?????????(((←
なんか急に爽やかイケメンになってません?????????(((←
さっき迄…
って言ってたのにっ!?!?!?(((←
…まぁ、良いや、…
もう私はツッコまないぞ…(((←
遠慮無く、太宰の手をぎゅっと握った
…わぁ…、!
そう言いながら太宰は、後ろを向いた
…私は、その時一切気付かなかった
知りもしなかった…
私が、誰かにストーカーされていた事に、…
蒲団×1に人間×2が入って一緒に寝ている
男、太宰治は女、あなたをバックハグしたままぐっすり夢の中、…
…おい待て、…
何故こうなった…!?(((←
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。