第3話

無理な物は無理
11
2019/01/31 14:04
授業が終わり
放課後になった。

帰宅部の私は
急いで帰る準備。

何か予定がある訳じゃない。

バイトもしてなければ
欲しい物の発売日とかでも無い。

けれど
何も無いからこそ
急ぐ。

そうじゃないと…

椎名
朱莉ちゃん
何か用事ある?
話し掛けられるから
朱莉
うん
予定なんか無いけど
そう言わないと
色んな事に巻き込まれる。

学校帰りにカラオケとか
ゲームセンターとか
そんな所に誘われる。

もちろん、私だけじゃなくて
学校中の誰かも一緒に。

誰か知らない人と
同じ空間で遊ぶとか…

無理

しかも、ほとんどが
椎名目当ての女子だから
そんな中
私に椎名が話しかけたりなんかしたら…

それはもう…
それは…もう
地獄絵図
椎名
そっか
また、誘うから
次は遊びに行こう
朱莉
え、遠慮します
思わず、口にしていた。
しかも、とても嫌そうな表情で。
椎名
まあ、朱莉ちゃんが
遊びたくなったら
声掛けて
爽やかな笑顔を振りまいて
椎名は教室から出て行った。
明らかに拒絶しているのに
“遊びたくなったら、声掛けて”?

意味が解らない。

……急いで帰る理由が無くなったから
帰りにファストフード店でも寄るかな。

そう思い
スクールバッグを手にして
教室から出た。


…そう言えば
椎名は…何か部活に入ってた気がするんだけど…
毎日の様に誘ってくる。
どういう事だろ?
幽霊部員的な?何か?なんだろうか。

まあ、特に興味は無いけど。

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