まふまふside
...嫌な予感って...なんでこんなに当たるのかな
そう言って不敵に笑うそらるさん
どうして?あなたがそらるさんのことが、
“お兄ちゃん”のことが好きなのは知ってた
あなたのとは違う
僕と同じ
「恋愛対象として」の好き
ならなんで...!
頭の中にあなたの言った言葉が浮かぶ
聞きたい、でも同時に
聞きたくない、そう思っていた
そらるさんはそう答えてゆっくり話しだした
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そらるside
いつも、俺の母さんは優しい笑顔で笑っていた
俺はそんな母さんが大好きで
「何してるんだ!彼方!」
そんな母さんとの時間を潰す父さんが大嫌いだった
「母さんはしんどいんだ、近づくな!」
「大丈夫じゃないから言ってるんだ!」
そう言って何度も何度も部屋を追い出された
それが4歳ぐらい
父さんに追い出された日は決まって吉田さんのところに行った
「また追い出されたんですか?そらるくん」
そう言ってよくお菓子をくれたのを覚えてる
「そうですか((ナデナデ」
いつも頭をなでながら俺の事を「そらるくん」って優しく呼んだ
そう、一度だけ言ったことがある
そしたら
「...いや、彼方にしよう」
俺が生まれた時にそういう会話があったらしい
その時の母さんがとても悲しそうだったらしい
「だから自分だけは」と吉田さんは思って言っていたそうだ
それで名前すら父さんが勝手に決めたのだと知った
あれは...確か5歳の時だった
母さんと父さんの結婚記念日の前日
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。