絢香side
ごめんね、天海...
朝逃げたのバレたよね...きっと
言いたくなかったから
彩は、こんな表現はしたくないけど障害者だ
“障害者”それだけであたし達を嫌う人も避ける人も
沢山、沢山いたんだ
天海にみんなに避けられるなんて
沢山の人が離れて行く中であなただけは側にいてくれた
「絢香ww当てられてるよw」
「ぼーっとしてんなよーw」
授業に全然集中していなかったことがバレて
放課後職員室に呼び出されてしまった
「ヤバすぎでしょw」
「さすが絢香w」
みんなからの賞賛?wを聞いて、昼ご飯を食べ始めようとした
いきなり現れていきなり帰って行ったw
「96猫さん行くのはやっw」
「てか絢香って生徒会入れたんだね」
「さぁ〜?w」
いつも一緒にいる子達とご飯を食べ始めた時だった
今日は来客が多いなぁ...なんて思いつつ、素早く動く
「あ、天月さんだ」
「いますよー、絢香〜ってあれ?」
ごめんね、みんな
天海が来た途端いつもの倍くらいのスピードで動いて机の影に隠れた
「すいません、探しときます...」
先輩である天海に友達が謝るのを見ると笑けてくる
なーんて、思っていて
それに救われもしているのかなって考え直す
いつ出るかタイミングを伺っていると
頭の上に天海の顔があった
ちょっと真面目な顔で聞いて来るもんだから
天海の顔を間近で見るのは心臓に悪い
「え、天月さんすご...」
「全然わかんなかったよね...」
そんな会話を聞きながら天海に手を引かれ教室を出た
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。