絢香side
いきなり教室に乗り込んで来て、あたしの腕を掴んでスタスタと歩いていく
その背中を見るとこれから聞かれることにどう答えるかを考えないといけないと思った
そう思った時、天海は屋上の鍵を開けた
疑問に思って聞いてみる
こんなバカな会話も出来なくなってしまうのか
そう思うと怖くて仕方がなかった
どう説明すればいいのかわからなくて
頭の中が混乱して涙がでる
「そんなに心配しないで」そう言いたかった
いきなり抱きしめられて焦る
とても心配してくれていたのだと今更気付いた
あとびっくりして涙が止まったw
こういう風に抱きしめられたり、気遣われるのは慣れてない
だからどうすればいいのかわからなかった
そこからは案外スラスラと彩のことを言えた
天海ならきっとこれを聞いても側にいてくれる
そう思えたんだ
一通り話し終わった後、天海は黙って何かを考えていた
優しい言葉ばかりくれて嬉しいけれど...
その半分でさえ天海に返せていない気がして申し訳なくなってくる
ずっと考え込んでいたのか、眉間にシワが寄っている
なんか変な反応だったけど名前を呼ばれて返事をした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。