第47話

#47
1,291
2020/08/24 22:26
お兄ちゃん...なんであんなこと...
(なまえ)
あなた
(嫌だ...まふ、まふ...!)
すぐ側にいないまふに助けを求めても
((ガチャ
「春菜ーいるかー?」
春菜
春菜
あ!弘人さん!
お父さんが来る度に目を輝かせるお母さんはとてもキラキラしていて
私とお兄ちゃんの間の雰囲気にはそぐわなかった
(なまえ)
あなた
ねえ、お兄ちゃん
そらる
そらる
ん?
いつもの優しい笑顔、その笑顔が不安を煽る
(なまえ)
あなた
なんで...?
そらる
そらる
...なんでだろうな
聞こうとしたことは分かってくれた、それなのに
望んでいた答えとは違って
「冗談だよ」そう言って欲しかった
義理とはいえ、私達は家族なのに
春菜
春菜
そうだ、2人にあの話したのよ〜
「あ、そうなのか?」
春菜
春菜
ええ!賛成してくれたわ
「そうか、それは良かった」
そんな会話が廊下から聞こえてきて
お父さんも賛成していて最後の希望を失ったような気がした
(なまえ)
あなた
(気がした、じゃないか...)
実際に希望は無くなったのだ
「2人とも久しぶりだな」
お父さんも目の前の椅子に座って
そらる
そらる
久しぶり、父さん
「2人とも春菜から聞いたな?」
そらる
そらる
...おう
いきなりその話題を振られて困惑しながらどうすれば
(なまえ)
あなた
(どうすれば...考え直してくれる...?)
その事だけを考えていた
「実はな...」
お父さんが何か話しだして
全員が黙るまでは
会社関連の話をする時は喋ってはいけない
我が家の数少ないルールのひとつだ
「父さん、外国に行くんだ」
(なまえ)
あなた
(...それだけ?!)
驚きはしなかった
お父さんは社長でバリバリに働いているし
有名な会社だから海外進出もおかしくはない
「それでだな、日本の会社を...」
「そらるに任せていきたいんだ」
そらる
そらる
...へ?
さすがのお兄ちゃんでもそこまでは予想できていなかったらしい
「何か文句か?そらる?」
でもルールを破ったことに変わりはない
そう考えたのかすぐさまお父さんがお兄ちゃんを睨む
そらる
そらる
...いや、なんでもないよ、ごめん
お兄ちゃんが弁解して
(なまえ)
あなた
(どうしたら...)
私はどうにかさっきのことを考え直してもらおうと考えていて
春菜
春菜
((ニコニコ
お母さんはずっと笑ったまま
「...そうか、じゃあ続きだ」
お父さんは落ち着いていた
食卓は異様な空気で包まれたまま
「だからな、2人にあの話をしたんだ」
私は
(なまえ)
あなた
(何か...何か言わなきゃ...)
そう思っていても言えるはずもなく
お父さんの話が進んで行くのを黙って聞いているしかなかった

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