〈始業式〉
静かに空いてる端っこの席に座った。
先生の話し始めと同時に、入学当初に渡された書類を開いた。
この大学の名前はなく、そしていらない。この大学は表では超エリート大学だと認識されていて、
特別な存在しか入学はせず、政府直々に招待状が来る。
だが、その、特別な存在とは、国家機密のものが多く、自分もその1人だということだ。
セキュリティーは、とてもレベルが高い。
なぜなら、もしも危害を加えられれば、国際問題になるものも多数いるからであろう。
自分は、意図も簡単にセキュリティーを解除することができた。どこもかも隙まみれ。
自分は、ある日その高度と言われるこの大学のセキュリティーを、意図も簡単に解除してしまった。
自分から見れば隙まみれだった。
「ハッカー」だから
生徒が騒がしく帰っていくなか、自分もその波に乗り、家へと帰宅した。
などと、呟きながら、カタカタとタイピングを始めていた。
〈30分後〉
独り言を言いながら、ぐちゃぐちゃの机を探っていると、大学からのまた違う書類が出てきた。
〈入学前〉
だらだらと長い話される前に帰ったけど。ムホールか。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。