目の前にいるのは一体誰だろうか………?
そう笑う顔は天使のように輝いているのに
目の奥は真っ黒で、笑みの欠片すらない
私を椅子に座らせ、縄で縛り上げて固定したパク店長……いや、彼
攫われたからには王道の薄暗い部屋かと思いきや
シャンデリアの輝く綺麗な部屋に2人
クスクスと笑いながらも私の目の前に椅子を持ってきて座った彼
天使のように優しいパク店長はもういない
何故私を攫ったのか未だによくわからないし、状況もまだ理解しきれていない
私を助けに来たと言い、そのまま睡眠薬を吹きかけここへ連れ去った彼
今の状態では脳が上手く働かず何も理解出来ない
そんな私を見兼ねたのか、ゆっくりと口を開く彼
何の躊躇いもなく罪を認める彼に動揺が隠し切れない
どうしてあんなに優しい彼が……何でこんなことを?
怖い……堪らなく彼が怖い
楽しそうに話してるのに目の奥は変わらず真っ黒
あの温かな優しい目が嘘だったように酷く冷めている
でも……彼の復讐に私は何で必要なんだ?
私を連れ去ることで何の復讐になると言うんだ?
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。