ジミンside
どんなに文句を言っても何も言わない此奴
段々腹が立ってきて思い切り殴りかかった
頬に命中すると此奴は後ろに倒れ込む
殴られた頬を手で押さえながらこっちを見てくる
何も言わない此奴に馬乗りになって文句を言いまくる
何を言ったか怒り過ぎて覚えてないぐらいに
けど……やっと口を開いたと思ったらこんなことを言ったんだ
当たり前のことなのに此奴は辛そうにした
何でお前が辛そうな顔するんだよ
辛いのはこっちだって言うのに
その後のことは怒りのあまり覚えてない
気付いたら此奴の死体を眺めてた
けど、人の命を奪った罪悪感なんてなくて
寧ろ、仇を取れたんだって清々してた
此奴を殺す為に使ったナイフを道端に捨てて家に帰る
その時の俺はどんな顔してたんだろうな
きっと、とてつもなく歪んだ顔してたんだろうな
あの時の爽快な気分は今でも忘れない
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。