必死に込み上げる感情を追い払う
違うと言い聞かせながら
そう言い、敬語に気付く
だけど、気付いた時にはもう遅かった
グイッと引き寄せられて唇を奪われる
しかもやっぱり長い……
軽く触れるだけなんて甘いことはない
段々と体中に熱を帯びていく
これに関しては言い訳のしようがなくて
速くなる脈数と熱くなる体に、負けを認めざるを得なかった
ゆっくりと離れた唇にさえも熱が篭もる
これ以上はグクを見ていられなくて目を逸らす
ムカつくけど体は正直だ
高鳴る鼓動も、熱を帯びる体も全部
全身がグクを" 好き "だって叫んでる
嘘、もう堕ちてるよ……
ずっと前から堕ちてたんだ、グクに_______________
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!