、、、ふと目が覚める
夢のこともあるからか寝た気がしなかった
ゆっくり重たい瞼を上げると、愛おしいグクと目が合った
夢のことを何も知らないグクはいつも通り
私を甘い瞳で見つめては髪を撫でてくる
もう来た、なんて言えなかった
夢の中で彼はグクのことを想うなら花畑に来いと言ったけど……
行けばきっと……グクとは二度と会えない
何をするのか説明されていなかったけど
今度こそ私をどこか遠くへ連れ去るつもりなんだ
こうして起きてグクが側にいる朝は今日が最後かもしれない
どの道行かなければグクの命はない
かと言って、彼の元に行けば二度とグクには会えない
上手く誤魔化しておかないと……
グクには何も言わなくてもわかっちゃうから
私が今どんな気持ちなのか
顔に出してないつもりでも…グクにはすぐわかっちゃうから
それらしき嘘を……並べておかないと
最後の最後に嘘付くのは……良心が痛むけど
でも……グクを守る為だから
今日の夕方までに何か良い案がないか探してみよう
彼の思い通りにはさせたくない
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。