あれから数日が経ち、何とか赤字は免れた
テヒョンが色々と援助してくれたみたいだ
でも……もしかしたらテヒョンの方にまで被害が出るかもしれない
どうしたら事を丸くおさめられるんだろ
そう考えながら社長室までの廊下をトボトボ歩く
目の前を彼女が通った気がした
微かに残る、甘い香水の匂い
もしかしたらまた潰そうとしてるのかも
すぐに彼女らしき人を追いかけた
辺りをキョロキョロと不自然に見渡し、
人とすれ違う度にビクリと体を震わせていた
あの人で間違いないだろう
彼女はとある資料室に入って行った
慌てて私も資料室へ入る
こちらには気付いていないようで何かを必死で見てはブツブツ言っている
その様子を部屋の隅からそっと伺う
何個かの資料を見た後、それを持って部屋を出て行く
でも、そんなことさせない
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。