寝る時も一緒になってしまった12月の頭
グクが完全に寝たとわかってから外へ
寒さがどんどん強くなるこの頃は深夜が辛い
耳や手を赤くさせながらも屋敷へ行き、
お金を貰ってすぐ帰る
いつものようにリビングの窓から入ろうとした時、
グクがリビングにいるのが見えてハッとなる
恐る恐るもリビングを覗き込めば、
ソファにただただ座っていた
このまま入ればバレる
何か……言い訳を作らないと
庭にある植木の物を屋根下に移動させる
明後日大雪予報があったけど、それを明日だと勘違いした風にしよう
大事な植木を持って玄関から家に入る
スマホを取り出し、天気を確認する
それに呆れたようにため息を漏らしたグク
私から植木を剥ぎ取り、玄関に置くと
すぐ様手を引いて抱き寄せてくる
今すぐにでもこんな生活をやめたかった
夜一緒に寝て、朝起きるまでずっとグクの胸の中にいたい
お金とかどうでもいいし、何ならなくてもいい
グクがいればそれで充分
こんな生活……やめたいよ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!