苦しむグクの側に駆け寄ると物凄い勢いで引き寄せられる
かと思えば、そのまま唇を重ねられる
途端にドクリと心臓が脈を打つ
好きだからとかそういうのじゃない
グクの苦しみを分け与えられてるような感じだ
少しばかり痛みがはしるがそこまでではない
何度も角度を変えて深くなる内に痛みは消えていった
それと同時にグクがゆっくりと唇を離す
そう聞けば、乱れた息を整えて話し始めた
ごくたまに、悪魔が発作というものを起こす
心臓が潰れる程痛くなる酷い発作が……
それを治せるのは悪魔の花婿と花嫁だけ
つまり天使だが、花婿、花嫁がいない悪魔には発作は起きない
発作は何か悪い暗示を示すと言う
今までにないぐらい真剣に言われて状況を悟る
本当に……何か凄く嫌なことが起きるんだって
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!