休み時間
チラリと男子たちの方に目をやった。相変わらず、輝一の周りには大勢の男子がいた。
私はふざけ合う男子たちを見て小学校の頃を思い出した。今とは違って男子とも気軽に話していたなと………。
小学生の時は私は割と頭が良かったため、男女ともに仲良くしていた。まあ、仲良くしていたというよりは仲良くなったの方が正しいのかもしれない。
もちろんの事ながら、解答を見せてはいけないが自分の成績に影響するわけでもないので女子にも男子にも見せていた。その方が色々な人がと仲良く出来るし、頭が良いという理由で浮かなくて済む。
机の上にバサッッとテキストを広げた。そのテキストに大した価値はないのにみんなその周りに集まり、解答を写していた。誰もが1億円の宝石を見ているかのような顔だった。そういうことがあり、私は男女共に仲が良かった。
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そ・し・て、私がゲーム好きだということも男子と仲が良かった原因なのだ。ただ、男子だけと遊ぶと女子から非難の声を浴びることになるので同じゲームをやっているゆいな達も誘うのだ。ちなみに私は男子と遊ぶことに非を感じることはない。
ただ、今は女子の中にゲーム好きの子があまりいないので誰かとゲームで遊ぶことが出来ないのだ。だからか、学校生活には満足しているのに何かが足りないような気がするのだ。別に男子と遊べば良いとかそういう訳じゃない。
「キンコーン、カンコーン」
休み時間はあれこれ考えているうちに終わった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!