ガチャンっと扉が閉まる音が響いた
「さぁ…ベッドが来るまでは動けないか…」
私は椅子に座り合鍵を眺めた
「ふふっ」
なんだか嬉しかった
ピロンっと私のスマホが鳴る
兄からのメッセージだった
思っていたよりも早く次の仕事が見つかりそうだ
「よかった、これで辰哉くんに負担かけなくて済む…」
そしてピンポーンとインターホンが鳴った
ベッドが届いたのだった
「はーい!」
宅配「こちらご注文の物ですね〜どちらまで運びましょうか?」
「こっちにお願いします」
案内して部屋に設置してもらった
「ありがとうございました!」
宅配「いえいえ!では失礼致します」
写真撮って送ろうと思ったが、彼の連絡先を聞いていなかった
「…まぁ帰ってきてからでいっか」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!