朝、彼のめざましで目を覚ます
「んん……辰哉くん…?」
眠い目を擦って彼を見る
昨日事をなしてからそのまま寝た事を忘れていた
今になって恥ずかしくなってきた
彼が起きる前に脱ぎ捨てた服を拾って着る
そして彼が起きる前に朝ごはんを用意する
準備ができてから彼を起こす
「辰哉くん、ご飯できたよ」
辰哉「んん…あなたおはよ〜」
「おはっ、わっ!」
彼は私を抱き寄せる
辰哉「あれ、もう服着たの?」
「当たり前じゃん」
辰哉「えー朝からやるんじゃないの?」
「やらないよ!馬鹿!」
辰哉「ちぇっ」
「早く起きないと遅刻するよ?」
辰哉「遅刻しないために早い時間からめざましかけてるからまだ大丈夫」
「朝ごはん冷めちゃう」
辰哉「あ、そっか、起きるわ」
やっと彼は私を離して起き上がる
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。