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第1話

1.彼女の噂
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2023/11/22 13:03







それを聞いたのは学校に入学してすぐのことだった。




モブ
ねぇねぇ知ってる?
2年生にちょっと「変わってる」人がいるんだって!
モブ
変わってる...って?
モブ
いや言葉そのまんま!
モブ
なんかねー、色々噂立ってるみたいでさぁ


変わってる人、か。
どうせあれだろうな、よく漫画とかアニメによくいるカツアゲする奴とか呼び出しを一日に何回もくらう奴とか、後輩のことをいじめる奴とか。


その人達の会話に耳を立てながら私は靴を履き替えた。
モブ
え、噂ってどんな!?
モブ
ふっふっふっ....聞きたいかっ!?
モブ
聞きたいけど...そんなにヤバめなことなの?
モブ
うん....
まあ私も最初はびっくりしたかな、



...やっぱりカツアゲする奴か。
モブ
じゃあ言いまーす!
モブ
実はねその人、「女装」してるんだって!!





......え、....女装って、あの女装?
あの...男性が女性の格好する、....女装?
モブ
...えぇ....
モブ
え、その人って部活どこなのかな?
モブ
さあ...でも、歩いてるところとかみんなチラチラ見てるみたいだからすぐ分かるかもだね!
モブ
会いたいー!
モブ
分かる!
「心境はどうですか?」とか聞きたいー!



どんどん彼女達の声が小さくなっていった。




彼女達は「ヤバい」だの「話したい」だの何だの言っていたが、最近''そういう人''が増えている社会だから驚きはしなかった。
あなた
女装....って、そんなにおかしいことなのかな、?
そう思いながら、私は教室に向かった。


________________________________________________
 
ー昼休みー


今日は誰にも誘われなかったし...というか友達は少ないからほとんど屋上でお昼ご飯を済ませている。

周りに誰もいない、何もない螺旋階段を登って扉を開いた。
あなた
あッ....
外の風が気持ちいい。
思わず声が出た。
________________________________________________


「今日なこの辺りに座って食べようかな」、なんて思っていた時。

もう一度、屋上の扉がギギギギギギと鈍い音を立てて開いた。
あなた
......
私がいると察されないように壁の影に隠れよう






......としたはずだった。
瑞希
瑞希
....あれっ!?今日は珍しくここに人がいる!

...どうやら足が隠れてなかったみたいだ。
太陽が眩しくて声をかけてくれた人の顔が見えない。
あなた
あ....
あなた
あの...すみ、ません....
瑞希
瑞希
どうしたの?!
謝ることないじゃ〜ん!

手を広げておでこに当て太陽を遮る。

...ようやく、その人の顔が見えた。
瑞希
瑞希
あ、ごめんね!お昼ご飯中だった....よね?
ボクすぐどっか行くかr
あなた
あっ...あの!
あなた
もし....迷惑じゃなければなんですけど、
あなた
一緒にお昼食べませんか...?

勇気を出して誘ってみた。

....この人から声をかけてもらったんだから、今度は私が誘わなくては。
...だけど少し、恥ずかしかった。

返答は......ッ!







瑞希
瑞希
....もちろんいいよ!!
....泣きたいくらい嬉しかった。
まさか私でも誘うことが出来るなんて。
瑞希
瑞希
あ、自己紹介がまだだったね!
瑞希
瑞希
ボクは暁山瑞希!
瑞希
瑞希
好きに呼んでね〜♪

ピンクのサイドテールのその人はそう言った。


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