🐨 ( ジェミン ) 「 まず 、 関係ないこと聞くけど ....... いくつ ? 」
『 えっと 、 まだ21です 。 』
🐨 「 21 ? じゃあ2000年生まれってこと ? 」
『 はい ! 』
🐨 「 なんだ 、 タメじゃん ! 敬語無くしておけだよん ♡ 」
『 大丈夫ですか 、 ? 』
🐨 「 うん 、 平気だよ 」
ジェミンさんとまさかタメだったなんて 。
驚きの後私はジェミンさんに
敬語を外していい許可も得た 。
先程から親しみやすかったのは
タメだったからだろうか 。
🐨 「 じゃあドンヒョクもあなたちゃんと同い年だね 。 」
『 そうなんだ 。 』
🐨 「 うん 、 そうだよ ....... ってことで 、少し長くなるかもしれないんだけど 、 聞いてくれる ? 」
『 うん 、 聞く 。 』
私はジェミンの話す言葉に耳を傾け
聞くことだけに集中した 。
🐨 「 その名札 、 HAECHAN って書いてあるでしょ ? 」
『 うん 』
🐨 「 それはドンヒョクが活動してた時期の名前なんだ 。」
『 活動 ....... ? 』
🐨 「 そう 、 実はアイツ元モデルでさ 、 」
衝撃が隠せない 。
まぁでも 、分かるかもしれない 。
あの特有のオーラは過去にモデルさんだった
ドンヒョクさんだからこそ出せる
なにかなのかもしれない 。
🐨 「 全盛期に辞めちゃったんだよね 。」
『 え 、 どうして ? 』
🐨 「 んー 、 ....... 1人女のカメラマンさんがいてさ 、その人 ....... あなたみたいにスタイル良くて綺麗だったんだ 。顔も少しだけ似てた 。違うとこは髪の毛の長さだけかな 。
その人もその時期仕事熱心になっててさ 。
ドンヒョク 、 その人に好意持っちゃって 。
仕事は真面目にやってたんだけどね 。
カメラマンさん 、 ってたくさんのモデルさんと関わるでしょ ? 」
『 うん 』
🐨 「 そういうのもあったし 、その人キレイでモテたからさ 、あいつ焦っちゃって 。
告白 、したの 。」
『 そうなんだ ....... 』
🐨 「 でも 、 ね ....... 呆気なく振られてさ 。それもその振られ方 、聞いたけど酷いんだよね 。
今あんたに構ってる暇ない 、って
モデルはこっちからしたら道具に過ぎないから
そのために仕事してんならもう来なくていい 、帰っていいよ 、って 。」
『 ぇ 、 酷い ....... 』
信じられない 。
そんな人もいたもんなんだ ....... 。
モデルさんは私たちカメラマンの仕事を
作り上げてくれる必要不可欠な存在なのに 。
🐨 「 ドンヒョクは存在自体否定されたような気分になって 、カメラもその人も見ると全部思い出しちゃうから見たくなくなって辞めたんだ 。
俺も聞いた時ありえない 、って思った 。
そんなこと言うような人じゃないと思ってたからさ 。」
『 そっか ....... 』
そんなことがあったんだ 。
だから私の誘いを断った ....... 。
🐨 「 うん 、.......
話していいかわかんなかったけど 、
何も知らないでドンヒョクにズカズカ誘い入れたくないでしょ ?
1番は誘うのを辞めた方がいいんだけどね 。
ドンヒョクのためにも 。
でもあなたちゃんはどうしてもドンヒョクがいいんでしょ ? 」
『 うん 、何となくビビッと来て 。
他にもいい人いたんだよ ?他の花屋の人とか 、ロンジュンさんとか 、ジェミン も 。
だけどやっぱりなんか違くて ....... 。』
🐨 「 ロンジュンに会ったの ? 」
『 うん 、 ドンヒョクさんに断られた日に 』
🐨 「 じゃあ初めてあった日か 、 ....... 」
『 うん 』
なんだか全く関わりなんてないのに
こんな話を聞いて良かったのかと不安になる
。
ご本人の口からじゃないから 、
少し嫌なのもあるけど 。
🐨 「 話のせいで雰囲気も外も暗くなっちゃったね 。 」
『 ううん 、平気 。』
🐨 「 もう帰る ? 」
『 ....... うん 、そうしようかな 。』
🐨 「 じゃあ 、 はい 、これ 。連絡先 。俺のだけど持っておいてね 。」
『 え 、いいの ? 』
🐨 「 うん 、お友達になったし ! 」
『 ありがとう ! 』
私は貴重な話を胸に
少し複雑な気持ちのままお店をあとにした 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!