第12話

プロポーズ
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2018/11/22 13:53
〜かっちゃんside〜















またあいつを守れなかった
逆にあいつに助けられちまった…
人工呼吸器を付けて、色んな機械付けて眠ってる。
静かな病室にピ、ピ、ピ、ピ、と機会の音
だけが響いていた…














あなたはあの日以来目を覚ましていない。
もう1週間経とうとしているのにピクリとも
動かずにただ眠っている…。










かっちゃん「なぁ、あなたいつ起きるんだ?」

あなた「…」

かっちゃん「このまま死ぬなんて言うなよ…」

あなた「…」

かっちゃん「やっと、また会えたのに…」

あなた「…」

かっちゃん「応えてくれよ!あなた!!」

あなた「…」





眠っているあなたが応えてくれるはずはなく、
ただ病室に沈黙が流れるだけだった。





かっちゃん「これから、お前と一緒に色んなとこ行って
たくさん思い出作ろうと
思ってたのによ…」

あなた「…」

かっちゃん「なんでお前は寝てんだよ!!
起きろや!クソが!」

あなた「…」

かっちゃん「来年のお前の誕生日に
言おうと思ってたのに…」





俺はポケットから紺色の入れ物に入った
婚約指輪を取り出した。





かっちゃん「あなた、目が覚めたら…」

あなた「…」

かっちゃん「俺が嫁にもらってやる…
だから、結婚しよう」





あなたの左手の薬指に指輪をはめた。
その手を力強く握る。





かっちゃん「……あなた」

























俺はそう呟いてから、ずっとあなたを
見つめていた。
でも、いつの間にか寝てしまっていた…







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