第2話

空っぽの日常。
171
2021/05/09 14:33
朝起きて、カーテンを開けて空を見る。

いつもと同じような景色。

……つまらない


川上 由紀
川上 由紀
おはよう
「おはよう。早く食べちゃいなさい」



席に着くと置いてある朝食。

いつもとおなじ、トーストされた二切れの食パンと
スープ。

……飽きた







川上 由紀
川上 由紀
いってきます





いつもの通学路

挨拶してくる近所の人達

校門にいつも同じ顔して立ってる生活指導の先生




……気持ち悪い


教室にいる友達。
川上 由紀
川上 由紀
おはよう
「あ!おはようー。ねえ、昨日のドラマ見た?
やばかったよねあの展開!てか見てこの雑誌、これ可愛くない!?」





いつも同じテンションの友達

毎回繰り返されるこの話題



……くだらない
川上 由紀
川上 由紀
見たよ!なにこれかわいい!
絶対、結衣似合うやつじゃん!
「えー、そうかなー?」


いつもそう返すと満更でもないような顔をする


……もう疲れた、それ見るの







「先週やったテスト返すぞー」






返却されたテストの点を見る。


……人の学力に点なんかつけんなよ










いつもの帰り道



公園で遊ぶ子供たち


どこかの家のカレーの匂い



……気分悪い









川上 由紀
川上 由紀
ただいま


「あー、おかえり。今、夕食の準備するから
宿題やっちゃいなさい。」
川上 由紀
川上 由紀
うん。あとこれ
カバンから取り出した四つ折りの返却されたテスト



「97点…凄いじゃない!これからも頑張るのよ?」
川上 由紀
川上 由紀
分かってる


自分の部屋に入り机の上に宿題を広げる

同じような問題ばかり

……これ、やる意味あんの?





宿題を済ませお風呂に入る

同じお湯の温度

同じシャンプーとコンディショナー

同じボディーソープ


……いつまで同じの使うんだよ





夕食の唐揚げとサラダ

いつも多すぎて食べきれない


……いつになったら量を把握するんだろう





就寝時いつも思う

いつまでこんな日常送んなきゃ行けないんだろう

誰かどこかに連れ出してくれないだろうか

なんならいっそ事故にあって死んだりしても
構わない


特に夢も希望もやりたいこと、大切な人さえいない


たとえ身近の人が亡くなってもそれがその人の
運命だったんだと私は思う

こんな無情で悲しさも何も分からない私は

死んでしまった方がいいのだろうか……




そして最後にはこう思う

人生甘くはないけど

明日は

明日こそは何か変わるかもしれないって

プリ小説オーディオドラマ