「僕ね___うらさんが好きだった」
『…!』
今…なんて…?
「好き……って!なんで泣いとるん!?」
『……ッ!』
気づかなかった。
泣いてた…?
「えっ…どしよ…!」
『坂田ぁ…ヒック』
「な、なんや!?」
『俺もね…ヒック…しゃかた好きぃっ…!ヒック』
「へ?」
「ん?」
「あぇ?」
「ふぇ?」
「ほん、と?」
『…嘘付くとおもう?』
「……ううん!」
坂田の顔がパッと明るくなったと思ったら、
ギュッと坂田の腕に包まれた。
すごく、暖かかった。
「ねぇ…うらたさん」
『…なぁに?』
「僕と…付き合って下さい」
『…コクッ』
俺は小さく頷いた。
『うっ…』
「…?」
『おぇ……っ』
「!?」
俺が吐き出したのは、
「透明…な、花」
ガラス細工みたいな、綺麗な花だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。