~先生の事好きですか-?
〜は-い、はいはい、は-いは-い!
『んっ……』
頭の中に疾走感溢れる『イノコリ先生』が流れる。
坂田と一緒に歌った曲で、お気に入り。
そういえばだけど、今日春ツアーの打ち合わせだ。
9時に俺の家集合なんだけど…。
時間を見ると8時50分。
どうしよう…あと10分で皆来ちゃう…!
『やべっ…!』
❦
ーピンポーン
『はーい、鍵空いてるから上がって』
「わかりましたー」
ドアの方でガチャンと音がすると、
お邪魔しますと、声が響いた。
皆バラバラに言うから、すげぇうるさく思えた。
…っていうのは内緒。
「坂田、早く入って」
「センラ!押さんといてよ!」
「坂田が遅いんだろーが!」
ったく、うるせぇな。笑
『喧嘩すんなよ、はやく上がれってば』
渋々足を進め中に入ってきた3人。
着いて早々、センラが「相変わらず綺麗やね」と感想を口にした。
さんきゅ、と適当に返事しておく。
あぁ、坂田が凄い笑顔__。
『んっ……!?』
急に襲ってきた吐き気。
目眩。
やばい。
「ん?うらたん、どうしました?」
『いや、なんでもない!トイレ行ってくる!』
センラに怪しまれる前にトイレへ足を早める。
『…っ、おぇ…!かはっ……げほっ、げほっ…』
俺の口から坂田色の綺麗な花が落ちていく。
こんな所見られたら…そう思うと怖くなってきた。
コンコン
ハッとして返事をすると、センラだった。
「うらたん…?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。