彼女との出会いは、高校の入学式の日だった。
HRで早速自己紹介が始まる。
と共に、一際目立つ人物がいた。
誰かというと_______。
そう、彼女、雨宮麗だ。
彼女がニコッと満面の笑みで笑う。
初めて見た彼女の笑顔は、まるで太陽のように輝いていた。
麗は、他人に興味がない私でも印象に残るくらいだった。
それほど彼女はクラス中から注目を浴びていたのだ。
そして性格もいいうえに、容姿もいい。
女の私でも目がひかれるくらい、パッチリとした目元に、さらさらとした髪。
どんな人でも分け隔てなく接する姿。
そんな彼女は入学して間もないというのに、あっという間にクラスの人気者になったのだった。
休み時間になれば、彼女の机には人だかりができる。
それでも彼女は嫌な顔一つもせず、笑顔で接していた。
その様子を私は窓際にある自分の机から毎日眺めていた。
その時の私は、一ミリも思っていなかった。
彼女は余命、一年だということを________。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。