第3話

2.
892
2020/04/03 01:12
次は移動教室。





もうこのクラスにはグループが出来上がっている。


そのためグループでガヤガヤと教室を出ていく人もいれば、数人で談笑しながら出ていく人もいる。










.........が


私はクラスでは目立たない人物。

つまり一匹狼タイプという訳だ。

友達がいないわけではないけれど、こういう時はだいたい一人で行動する。






野々村 陽葵
野々村 陽葵
はぁ........


私はため息混じりに教室を出ていく。







 
と、その時




雨宮 麗
雨宮 麗
陽葵ひなたちゃん!!


私がくるりと振り替える。



目の前にいたのはなんと彼女、麗だった。



野々村 陽葵
野々村 陽葵
え....


困惑している私をよそに、彼女は言う。



雨宮 麗
雨宮 麗
これ、落としたよ!


そう言ってペンを私に差し出した。


野々村 陽葵
野々村 陽葵
え、あ....
あ、ありがとう.....
雨宮 麗
雨宮 麗
全然!


彼女はニコッと満面の笑みで笑い、ピースサインをしながらグループで行動していた人たちの元へ行ってしまった。








この時私は確信した。









私と彼女は性格も、考えも、なにもかもが違うのだと。





そして住む世界が違うのだと。






 




それと同時に、彼女への尊敬する気持ちがグンと高まった。















私は.......やっぱり彼女が憧れだ。




本当に手の届かない人物だ。

















これが彼女と初めて話した日であり、これからの私の生活を一変させるきっかけになった日でもあった______。


プリ小説オーディオドラマ