第16話

15.
477
2020/04/03 08:42
雨宮 麗
雨宮 麗
私が達成出来なかったら陽葵が代わりに達成してくれる.....?
野々村 陽葵
野々村 陽葵
え.....
雨宮 麗
雨宮 麗
無理なお願いなのは分かってる.....
雨宮 麗
雨宮 麗
でも.....私の分まで、陽葵には....
野々村 陽葵
野々村 陽葵
で、でも....私ピアノなんて弾いたことないし....
雨宮 麗
雨宮 麗
そんなことないよ
陽葵は、やれば出来るから
雨宮 麗
雨宮 麗
そう、信じてるから
野々村 陽葵
野々村 陽葵
うん.......
雨宮 麗
雨宮 麗
お願いっ......!


私は正直迷った。


達成したいけど.....もし達成できなかったら?



麗、悲しむでしょう?


でも.....




それで少しでも麗が喜んでくれるなら.....



迷った末、出した結果はこうだった。



野々村 陽葵
野々村 陽葵
.........出来るか分からないけど...
やってみるよ
雨宮 麗
雨宮 麗
本当にありがとうっ!


涙目で笑顔を作り、私に抱きつきながら彼女は言った。


雨宮 麗
雨宮 麗
私ももちろん頑張るよ
雨宮 麗
雨宮 麗
応援してねっ!
野々村 陽葵
野々村 陽葵
うん!


私は明るく返事をした。




そして、しばらく2人で笑いあっていた。













野々村 陽葵
野々村 陽葵
じゃあ、私そろそろ帰るね
雨宮 麗
雨宮 麗
うん
今日はありがと
野々村 陽葵
野々村 陽葵
いいえっ!
野々村 陽葵
野々村 陽葵
頑張るね
雨宮 麗
雨宮 麗
うんっ!






そう言って、私たちは別れた。










今日は、麗にとっても私にとっても思い出に残る日だったと思う。









私は帰ってきたらすぐにお姉ちゃんの部屋に駆け上がってこう言った。


野々村 陽葵
野々村 陽葵
お姉ちゃんっピアノ貸して!
お姉ちゃん
えっいいけど...なんで?
野々村 陽葵
野々村 陽葵
え〜と...なんかやりたくなっちゃって笑
お姉ちゃん
珍しいじゃん笑いいよ
お姉ちゃん
何弾きたいの?
野々村 陽葵
野々村 陽葵
カノン!
お姉ちゃん
カノンかぁ楽譜あった気がする...


お姉ちゃんは楽譜が沢山入った箱をガサガサと漁る。


お姉ちゃん
あっあった!


カノンの楽譜を私に見せつけてそう言った。


お姉ちゃん
はい
野々村 陽葵
野々村 陽葵
ありがとっ!
お姉ちゃん
でも.....あんたピアノ弾けないでしょ?
野々村 陽葵
野々村 陽葵
まぁ....笑
お姉ちゃん
なんで弾きたいと思ったの?
野々村 陽葵
野々村 陽葵
ちょっと....友達のために
お姉ちゃん
友達?へぇいいじゃん
お姉ちゃん
だったら私が教えてあげる!
野々村 陽葵
野々村 陽葵
えっ本当?
お姉ちゃん
うん!
お姉ちゃん
だって友達のために弾くなんて、素敵じゃない?笑
野々村 陽葵
野々村 陽葵
そ、そうかなぁ
お姉ちゃん
うん笑
じゃあまずは譜読みからだね
お姉ちゃん
ほら座って
野々村 陽葵
野々村 陽葵
あっうん
お姉ちゃん
えーとまずは.....















こうして私のピアノの特訓は始まった。


予想以上に難しかったけど.....





でも私は麗のために頑張るよ。




待ってて



必ず達成してみせるから________。

プリ小説オーディオドラマ