《ねえ。この記憶は何?》
なんでお母さんは泣いてるの?
なんでお父さんは笑ってるの?
【あんたのせいよ】
なんで?
僕。何かした?
ごめんなさい。怒らないで。
お母さん。ごめんなさい。ごめんなさい
《ハリアって誰?》
え?ハリア?ハイトじゃないの?
《どこへ行くの?》
お父さん。どこ行くの?
え?ああ。ちょっとな。あなたも来るか?
うん!
《ぐしゃり》
《ぐちゃり》
お父さん…?
人が!!!潰されてる!!!
この人達…助けてって!!!
ねえ。なんで真顔なの?
お父さん。その人だぁれ?
え?僕の名前はフェリアムじゃないよ?
…お父さんは凄腕の殺し屋。
女神の血を引いた。
お母さんは死神。
綺麗な歌声で誘き寄せて
ぐしゃりぐしゃりと食い尽くす。
僕と妹は…こんな二人から生まれたんだ
こんなのカイブツじゃないか。
みんな…間違いじゃなかった
まだ生きててごめんなさい
苦しい…
悲しい
誰か…タスケテ_
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!