初めての大会。
私たちの学校はなんと決勝まですすんだ。
決勝に向けて部員たちが焦りだしてきた。
私は飲み物を配ってたり声をかけたりしかフォローは出来なかった。
いよいよ決勝戦が始まる。
相手は5年連続勝ち続けてる強豪校だ。
相手は連覇を繋げるためにかなり練習を重ねてきたようだ。
私はベンチで応援することしかできない。
見ていることしかできない私にンダホ先輩はこう言ってくれた。
「決勝絶対勝つから!
マネー…あなたちゃんにいい思いさせたいから!
見ててね、」
私は嬉しかった。
いい思いをさせてくれるって。
普段はフレンドリーでちょっと抜けてる部分もあるけど、やる時は本気でカッコイイ姿を見せてくれる。
私は部員たちに期待して試合を見ることにした。
試合ももう終盤、私たちの学校は結構差をつけられてしまった。
あっという間に最後のバッターに。
私は選手一覧の表を見返した。
最後のバッターは……
ンダホ先輩。
絶対大丈夫。
ここでホームランを打ったら逆転優勝。
ンダホ先輩がバットを握る。
ピッチャーからボールが飛んでくる。
お願い、打って!
カキーン
あっ、
ボールを目で追うと、
見事ホームラン。
他の部員がンダホ先輩に駆け寄る。
みんなで抱き合っている。
私はホームランの奇跡と部員たちの絆に涙した。
そして、私たちは会場に感謝しようとグランドの整備をする。
もう日が暮れて私たちの学校しかいない。
私はベースを軽く掃いた。
他の部員たちは道具を運びにバスへ行き、グランドには私とンダホ先輩の2人だけ。
なんかドキドキする。
そんなこと思っていると……
突然声を掛けられびっくりした。
私は何が起こっているのかもうわからない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!