あの後、私は家のほうまで倒れていた三人を運んだ。
そして、のちに目が覚めた彼らにこの世界をを説明せざる負えないことは、
よくわかっている。
…分かっているのだけど…
部屋の中、グッズであふれかえってるんだった―泣
アニメのヲタクなのは認めよう。ただ…本人であろう者たちのコスプレ衣装や人形やらなんや
らがある部屋なんて…、正気の沙汰じゃない
お願い、お願いだから…少し口をチャックして
私は恥ずかしさに顔を赤くしてうつむいてしまった
今ならちょっとだけ神宮寺先生の気持ちがわかるかも…
って乱数ちゃんが天真爛漫なのは鼻から知ってたけど!
あ、可愛い…
まさしく飴村乱数といった感じである
あ、説明する前に行ってしまった…
まあ、でも説明を切り出すいいきっかけだ
何はともあれこれで事が進む
私はこの世界について話した。ここが彼らのいた世界ではないこと。この世界の彼らは2次元の世界の
人間であること。彼らの世界についてなぜ知っているのかすべて
私は、あんまり本人に見せたくないけど…自分の所持しているヒプマイグッズの数々を披露した
見せたくないけど…
流石乱数ちゃん、そこに目をつけるか…コスプレ衣装と一緒に…ヒプノシスマイク…
流石といわざる負えない…
そういえば…なんでこの世界にわたってこられたのだろうか…まさかではあるけど…
その言葉を聞いて、私は納得した
違法マイクであれば、そういったことが可能だ
だが、そういった場合…
違法マイクで、異世界に飛ぶことはまず不可能なはずだと私は最初は思った。
違法マイクにそんな時空を操れる力は制作側の考えとしてもあり得るはずがない
それにしても、違法マイクの質力では低すぎるはずだ
でも、彼らの様子を見ると、違法マイクでこの世界に来てしまったのは明白だろう
違法マイクは効力が薄いために短期間しかその特殊効果は発動しないはず
だが、異世界に来たとなれば、短期間で終わる可能性は極めて低い
だからといってあきらめるなんてできるはずがない
あ、尊い…
雰囲気ぶち壊してすみません。でも、目の前で推しがこんな事してたら誰だって墓を建てませんか?
共感をお待ちしております
という茶番はあとにして
な、名前呼び死ぬ…
これ現実だよね?いや、小説か
まあ、どちらにしろ墓足りない
いや、推し目の前で料理できるか―!集中できないわ!
という感じで、推しとの生活が始まったのであった
プルルルル…
え?電話。いったい誰から…って白井さん!?
続
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!