このやり取りをして10分が経ってしまった
早く涙を止めようとしてもそれに反して溢れるばかりだし
それに私のせいでサンジは困ってるし
どうしたらいいのか自分でも分からない
私はただ泣くことしか出来ない
そんな自分が惨めで哀れだ
やっぱ私変わってないなぁ
周りに迷惑をかけて生きてる
もうそんな自分がずっとずっと前から
''大嫌いだ''
私が自分に対して色々思っていたら急にサンジが私の肩を掴んで大きな声を発した
自分の中では心の中で言っていたと思っていたけど声に出ていたらしい
私はサンジが言ってくれた言葉が胸の奥にグサリと刺さった
私と言う人物の為にこんなにも必死になってくれる人が居ることに私は更に涙が込み上げてくる
私が更に泣き出した事によりサンジが慌てた様子で取り乱しているので私は思わず笑いが込み上げてくる
自分でもなぜ笑えるのかが分からない。
でも彼の前だから、
自分を肯定してくれる人がいるから
なのかもしれない
やばいつい気が緩んで前みたいにサンジって呼んじゃった
私たちは前みたいに他愛のない話をした
前までの気まずい関係はなんだったのだろうと思うぐらいの
変な話をずっと
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。