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眠そうにしている花耶を見ながら、
私は、軽食用に持ってきた
フルーツサンドを口に頬張る。
ほんのり甘いパン生地に包まれた、
ふわふわで滑らかなホイップクリームと、フルーツ缶の中身の様なシロップ漬けにされたフルーツ。
絶対昼食後らでは食べられない重さだ。
私も一応女子なんだけどな…
よく皆が言うような、
「甘いものは別バラ!!」
みたいなものが、私は苦手だったりする。笑
…
さっきまでの眠そうなオーラはとっくに消えていて、
まだフルーツサンドを食べきっていない私をニヤニヤと覗きこんでくる。
少し頬が熱くなるのを感じた。
…別に無いわけじゃない。
昨日も好きって言われたし
ぎゅってしてくれたし…
まさか智箆まで居たなんて…
突然現れて、人の彼氏の名前は叫ぶし…
思わず食べ終わったものを全て吐き出してしまいそうだった。
ぶうたれている智箆の腕を掴んで、座っていた椅子から引っ張り上げる。
そのまま背中を押して、教室から追い出した。
…ちょっとやりすぎたかなぁ、とも思ったが、
私の 貴重な休み時間を 智箆ごとき に乱されて溜まりますかッ.
てことで
特に気にしないことにした。
…
そのあとは、花耶と話し続けた。
私が犯してしまった失態に気づくまでは…
Who is looking you...?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。