来て一日 、よく分からない場所をうろついて迷子になる訳にもいかないので
暫くモニタールームに留まる事にした私。
すると 、1つのモニターに映っていた300人の高校生達の視線が一気にひとつの所に集まった。
中央のステージに現れたのは、さっきの不健康そうな細い人だった。
そして淡々と 、聞いている人の心を鷲掴みにするような、ねじ曲がった事実を述べていく。
そう言って細い人の背後に現れたプロジェクターに現れたのは 、私 。
高校生達も思わぬ人間の登場に驚いているようで 、ザワザワとし始めた。
しかもよりにもよって可愛い女の子 、とかとても美人 ! という訳でもなく ………
ガタンッ …… !!!
恥か怒りか、正体の分からない謎の感情に襲われ近くのテーブルを勢いよく叩く。
1度は夢見た輝かしい未来 。
でも未だ私には 、手も足も届かないという事を思い知らされた 数分だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。