ちゅんちゅん
鳥の鳴き声が聞こえる…。
私は重い瞼を持ち上げ、まるで重りの付いた様な異様に重たい体を起こした。
時刻は朝の7時。
私は少し窓の外を眺めた。
白く青い空。
太陽が眩しく私を照らしてくれる。
こんないい朝なのに…重い。
ガチャ
リビングには誰も居ない。
皆眠っているからだ。
私は冷蔵庫の中にある材料で適当に朝食を作りそれを口にした。
部屋に戻り着替えを済ませる。
…更に体が重くなった…。
重くぎっしりと物が入っているカバンを手に取り自分の部屋を出た。
ガチャ
すると同時に向かいの扉も開いた。
目を擦りながら長い髪の毛をたらし、こちらを細い目で見ている蘭。
ビクッ
蘭の言葉に私は体を一瞬震わせてしまった。
バレたのでは無いか。
いや、バレるはずがない。
笑顔を作れているのか…。
いつも通りでいられているのか。
何か雰囲気を変えてしまっただろうか。
カァ///
私は自分のスカートをすぐ様確認すると本当に後ろが少しめくれ上がっていた。
私は顔を赤らめてしまった。
さっきまでの不安は蘭のおかげで消し飛んだ。
…でも。
ガチャ
これからが本当の地獄なのに。
ガラガラ
クラス一同「あなた〜おかえり^^*」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!