私の親は私が小学生の時に離婚し、私は父に引き取られた。
父はいわゆる毒親で毎日の様に父からの虐待に耐えていた。
父が言うことはなんでもこなしてきた。
金を稼げと言れたから仕事も見つけて…父が望む理想の子に。
そしたらきっと…いつか私を見てくれるって…。
でも…それは間違いだった。
ある日…
私は父の言葉に絶望した…。
いつか見てくれると…そう信じていた私は…父から"売る"と言う発言を聞いたのだから。
嫌だ…
その言葉はある日を境に使うのを辞めた。
それを言ってなんになるのか…と思ったからだ。
でも…
ガチャン
私は父を振り払い裸足で外に出た。
時刻は深夜…。
後ろからは父の怒鳴り声が聞こえる。
私は必死で…わけも分からず走った。
父から逃げたい…その一心で暗い夜道を駆け走った。
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どれくらい走っただろう…。
こんなに走ったのは高校1年の体育以来だ。
でも…もう限界だ。
最近はご飯もろくに食べさせてもらえていなかった…。
悪夢ばかり見てあまり寝れてもいない。
そんな私が長距離を走れるわけが無い。
足が痛い…でももっと遠くに…父が来ない場所まで…もっと速く…
フラッ
あ…ダメだ。
意識が…
ドサッ
誰だろう…。早く立って謝らないと。
暖かい…
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バシャン
ポタッポタッ
毎日…似た悪夢を見る。
私はどうすればいいのだろうか…
『"邪魔だ"』
この夢のせいで私は…ろくに眠れもしないんだ…
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バッ
フラッ
バサ
ベット…?誰の…?
もしかして知らないうちに売られたんじゃ…
ガチャ
この人達って確か!!!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。