楽しかった…。毎日あんなに日々が続けばいいのに。
ダメだ。早く行こう。
タッタッタッタッ
ガヤガヤガヤ
人…多いな。
ドン
どこに行けば…。
とりあえず家と反対の方に向かおう。
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トントン
私が道に迷っていると後ろから誰かに肩を叩かれた。振り返ると…そこには見知らぬ二人が立っていた。
なんで私の名前を…。
も…もしかして…お父さんと繋がりのある人…?
咄嗟に思いついた名前を口にし、身バレしないようにしようとしたのだが…。
と言われその写真を見せられた。
そこには本当に私が写っていた。
これは父がサンドバック記念と言って撮ったものだった。
ガシっと腕を掴まれた。
いたっ。すごい力。
今行ったらまた…また元に戻っちゃう。
私は必死に抵抗したがビクともしなかった。
パッ
私はその隙を見て全力で逃げた。
あの生活には絶対に戻りたくない。
今が最後のチャンスなんだ。
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もう完全に道が分からなくなった。
もう日も暮れてしまった。
でもここまで来れば。
ガシ
な!なんで!?
ドカッ
男が振り上げた拳が私の顔に向かって直撃してしまった。
スー
相手の男達の手が私の服へと迫ってくる。
ゾワゾワ
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ。
ギュ
誰か(泣)
フワッ
頭の中を過ぎったのは灰谷兄弟だった…。
どうして今思い出しちゃうのかな(泣)
蘭…竜胆(泣)
ドゴッ
な…何。?
私は恐る恐る目を開いた。
そこには…蘭と竜胆の姿があった(泣)
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。