第35話

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2023/03/05 03:22
国生 英明
てめえ一人か
この国生英明も舐められたもんだ
国生 英明
死んどけぇぇええ!
パァン
秋元 詩郎
フウウウウ!
普通に避けるか…こないだより反応が速い
その隙に手嶋に駆け寄る
国生 英明
手嶋、もう大丈夫だ
モブ
兄貴…すみません
三神 大輝
……
ヒュッ
三神 大輝
えいっ!
ドゴンッ
モブ
へぶぁっっ!?
カランッ…
二階堂 将平
お前何してんだよ!?
国生 英明
待て二階堂、こいつは黒だった
三神 大輝
周りの空気が濁ってたからわかった
若い奴だから気配がガバガバだったし
さっきナイフ持ってたので確定しました
結局二階堂さんは空気もそんなに汚れてなかったし
最終的に大丈夫だと思ったから警戒はしなかった
三神 大輝
痛い所強めに殴ったので
一日は起きないでしょう
秋元 詩郎
意外とやるじゃん
そいつ手付金たった10万で
買収されてたよ
国生 英明
黙れ外道が、テメェも腹掻っ捌いてや…
国生 英明
うっ!
二階堂 将平
三神 大輝
秋元 詩郎
おじさんは逆立ちしても俺に勝てない
さっきの銃もスローにしか見えなかった
今なら一条のナイフも躱せる
秋元の雰囲気が一気に変わった…
国生 英明
大輝、二階堂、全員で行くぞ
二階堂 将平
は…はい!
三神 大輝
はい
シュ…
秋元 詩郎
作戦会議してんじゃないよ
国生 英明
グウウウウ!
秋元 詩郎
顔カットしまーす
キィィンッッ
三神 大輝
まだ遅い
こないだみたいになると思うなよ
ブンッ  
秋元 詩郎
チッ、くそっ
とは言え正直なところ危なかった
あと少し反応が遅れていたら国生さんに刃が届いてた
お陰でちょっとだけ顔擦った
秋元 詩郎
でもお前さっきのでギリギリだっただろ
三神 大輝
へぇ…わかるんだ
もう一撃こられたら無傷で避けれる自信はない
その時、国生さんが口を開く
国生 英明
大輝、二階堂、俺が奴と戦う
二人は逃げろ
二階堂 将平
え…何を言ってるんですか兄貴!
三神 大輝
国生さん…
国生 英明
二階堂、お前は俺に更正すると誓った
そして俺より遥かに若い
お前は生きろ…な?
どうする、国生さんは自分を犠牲にして俺たちを逃すつもりだけど俺は絶対に置いて行きたくない
かと言って秋元に勝てる確証が無い以上三人残って
犠牲者を増やすことが一番最悪だ
俺が殺るって言っても聞いてくれないだろうし…
くそっ…どうやって戦えば…
その時、俺の頭に野田さんの言葉が蘇る
三神 大輝
考え方を、広く…
バッ
周りに物はほとんどない
建物は3階建ての廃ビル、コンクリートで出来てる
所々に大きめの窓がちょこちょこある
戦って勝てないなら戦わなければいいじゃないか
何故今まで思い浮かばなかったんだ、馬鹿かよ
秋元 詩郎
さっきから何話してんのさ
全員殺してあげるから大丈夫…
クルッ
三神 大輝
国生さん、二階堂さん!失礼します!!
ちょっと痛いのは許してくださいよ!!
ガシッッ
鍛冶場の馬鹿力、二人くらい余裕でいけるわっ!!
三神 大輝
があ"ああぁぁぁっっ!!!
ダダダダダダッ
国生 英明
大輝!?
二階堂 将平
何を…!?
三神 大輝
おらぁっ!!
パリィンッッ
二階堂 将平
うわぁぁぁ!!?
国生 英明
うおぉっ!?
ダンッッッッッッ!!!
三神 大輝
ぐうううぅぅっ…!?
やばい膝壊れそうっ、でも止まったら死ぬ!
このまま事務所まで逃げる!
ギシッ
三神 大輝
ぐ…
二階堂 将平
大輝!どうした!?
三神 大輝
…先に行ってください、
後ろから追いかけますので
足に負担をかけすぎた、俺と行っても追いつかれる
足手まといになるくらいならここで粘る方がいい
国生 英明
馬鹿か!俺が担いで行くからっ…
三神 大輝
ダメです、それじゃあ逃げ切れません
いくら国生さんでも無理でしょう
国生 英明
だからって…!
三神 大輝
国生さん…行ってください
お願いします…っ
国生 英明
っ…
二階堂 将平
クソッ…兄貴!行きますよ!
国生 英明
絶対戻って来るからな!!
死ぬんじゃねぇぞ!!
ダッダッダッダッ…
三神 大輝
死ぬな…か
この状況でなかなかに難しいこと要求してくるなぁ…
秋元 詩郎
あれ〜?二人逃しちゃったか
まぁいいか、どっちにしろ殺すし
痛めたのは幸いにも右足だった
まだ、勝てる可能性はある
ドッ       ガキィィッ
三神 大輝
ぐぉっ…
キリキリキリ…
秋元 詩郎
足痛いんじゃないの?
このままじゃ押し負けるよ
三神 大輝
舐めんな…っ
カンッ
秋元 詩郎
おお
ミシッ
っ痛い…弾き返したけど反動が足に来る
なんでいつも負傷してるときに強いやつ来るんだ?
戦闘のイベントは要らないんだけどな…
シュッ…
三神 大輝
な"ぁっ!?
秋元 詩郎
懐とった、じゃあね
まずいっ!体制が立て直せないっ!!
ズバッッ
三神 大輝
ゴボッ
ボタタ…ポタ…
三神 大輝
ヒュー…ヒュー…ゲボッ、ゴホッ
秋元 詩郎
結構深くまで刺したし、立ってるのも
辛いんじゃない?
カランッ……
三神 大輝
……
足、が…震える…腕に力が入らない…このまま…
このまま此処で、長引けば…失血死するな…
いや…どちらにしろ、運が悪ければ…死ぬかもな…
でも
スッ…
三神 大輝
ヒューッ…来い、よ…ケホッ…
秋元 詩郎
もう無理でしょ、お前は死ぬ
なのに…なんでそこまでして戦うの
三神 大輝
特、に…理由っゲホッ…なんか…ない…
わからない…
ただ…なんとなく、生きてみたいと…思っただけ
ちょっと前だったら…生きたい、なんか…
思わなかっただろうなぁ……
三神 大輝
スゥ……ハァァァ……
グッ
三神 大輝
フッ…
こんな状況でも、死にたくないと思えることが幸せだ
なんて少し嬉しくなってしまう
これも、仲間が出来たからなのだろうか
  拳を固めろ、足に力を入れろ、歯を食いしばれ
       俺は、この一発に賭ける
ドッ
秋元 詩郎
まだ動くか…でも動きが鈍い
丸腰で俺に勝てる訳ないだろ!
ズドッ
もう一回刺されたところで同じなんだよ
三神 大輝
っ、あ"ああああぁぁぁぁっっ!!!
ヒュッ…    ドゴオオォォンッッッッ!!!
秋元 詩郎
ぐほおおおおおおおっ!?
俺は秋元の顔目掛けて拳を振った
秋元 詩郎
ガクッ…(こ、こいつ…腹を刺されて
いるのに何故動けるんだ!?)
三神 大輝
あ…と…いっ、ぱつ…
秋元は膝をついて動けない…仕留めるなら…今…
…ダッダッダッダッ
国生 英明
大輝!生きてるか!?
久我 虎徹
大輝!
秋元 詩郎
あー…今日は一旦引こうかな…
トットット…
三神 大輝
こくしょぅ…さ……
フラッ…
久我 虎徹
大丈夫か!?
国生 英明
出血が酷い
早く病院に連れていかねぇと
三神 大輝
いや…たぶん……む…り……
カクッ
久我 虎徹
大輝!?おい、大輝!!
国生 英明
早く行くぞ!!
寒い…俺此処で死ぬのかなぁ……でもまぁ…
やることやったし…別に………
あ、でも……もうちょっとだけ…推しCP見たかった…
See you next time

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