第32話

間一発
536
2023/02/14 08:58
細い路地を通っている時、道の真ん中に人影が見えた
五十嵐 幸光
むぅ!?
海瀬 将悟
なんじゃアイツらは!
三神 大輝
あれは…
高城 蓮太郎
2日目で通ってくれたぜ
ちょっとラッキーだな
秋元 詩郎
あ、今日か…
この後床屋予約してたのに
三神 大輝
高城と秋元…
この二人は厄介だなぁ…戦闘力が高い上に好戦的
高城 蓮太郎
五十嵐…
さあ、地獄への航海だ
秋元 詩郎
ボンボヤージ
銃か、このガラスは防弾だが
おそらくこちらを直接攻撃するために撃たないだろう
バンッ  バンッ      パスッ パスッ
ガクンッ
海瀬 将悟
うお!クソが!
前のタイヤが二つともやられた!
三神 大輝
多分後ろもやられちゃいますね
気づいてもどうにもならない、だったら
その先のことを考える
バンッバンッ    パスッパスッ
ガタンッッ
五十嵐 幸光
うぉお!
海瀬 将悟
なに!?
三神 大輝
踏んでも進まなくなってしまいました
五十嵐さん、一応伏せておいてください
次の瞬間フロントガラスに銃弾が降り注ぐ
バンッバンッバンッ     バキッパキパキ
海瀬 将悟
うぉおおおお!?
三神 大輝
防弾とは言え、長くは持ちませんね…
高城 蓮太郎
やっぱり防弾ガラスか
秋元 詩郎
まぁ当然ですよね
でももう逃げられないんで一緒です
ス…
高城 蓮太郎
想定済みだ
コイツで車ごと吹き飛んで貰うか
ゴロ…
高城 蓮太郎
動けなきゃただのデカい的だ
秋元 詩郎
降っとんじゃってくださぁい
三神 大輝
!手榴弾!!
ガコッ   ダンッッググ…
ギュギュ…キィッッッッッッッッッッ
秋元 詩郎
おぉおおう手榴弾躱したじゃん
三神 大輝
ぶつかります!
捕まっててください!
ドンッッッッッッ!!!!!
三神 大輝
ぐっ…
くそっ…パンクしてるからコントロール出来ない!
足が挟まってる…潰れては無いけど簡単には
抜け出せそうにないな
海瀬 将悟
ここにいたら下から手榴弾で
吹き飛ばされます!
親父、車外に出ます!
五十嵐 幸光
うぉおおおお!
海瀬 将悟
大輝!テメェも来い!
三神 大輝
いや、足が挟まってるんで無理ですね
先行っててください
海瀬 将悟
先行ってもお前が死ぬだけだろうが!!
ゴロ…
このままじゃ二人ともやられる
二人やられるより一人が確実に助かった方が
戦闘で動ける、なら!
三神 大輝
っ、すみません海瀬さん!!
ドンッ
海瀬 将悟
うおぉっ!!
ボコンッッッッッッッッッッッッ!!!!!
海瀬 将悟
大輝っっっ!!!
バンッバンッバンッ   
海瀬 将悟
クソがぁああ!
死んでたまるかぁ!
五十嵐 幸光
海瀬ぇええ!
秋元からの追撃を躱しながらゴミ箱の影に滑り込んだ
海瀬 将悟
ウラァ!
外道共が死ねぇ!
バンッバンッ          キンッカンカンカッ
高城 蓮太郎
手榴弾の衝撃をまともに食らって
なんで動ける
秋元 詩郎
あの男金砕棒の海瀬です
厄介そうですね
五十嵐 幸光
海瀬!お前撃たれてるじゃねぇか!
海瀬 将悟
……やられちまいました
海瀬は後ろから太腿を撃ち抜かれていた
海瀬 将悟
これくらい問題ありません…
モーニングルーティーン
みたいなモンです
五十嵐 幸光
そんなルーティーンねえ!
五十嵐 幸光
隠れ家にて打ち合わせ予定の
一条がいるはずだ応援を要請する
海瀬 将悟
了解です
それまでは俺がなんとかします
海瀬 将悟
(とは言ったものの奴らはプロだ
無駄がなく動きが的確すぎる…)
海瀬 将悟
(アイツらどうせ2人とも
手榴弾を持ってやがる、この影にいても
徐々に距離を詰められて最終的に
2人同時に吹っ飛ばされるだろう)
海瀬 将悟
(親父を守るためには…
出るしかねえな)
親父を守ることが使命…海瀬は肚を括った
次の瞬間、高城と秋元の前に出る
ザッ
海瀬 将悟
よくも大輝をやりやがったな!
外道共がぶち殺してやらぁ!
高城 蓮太郎
かっこいいねぇ大将守るために
自分が的になろうってか
秋元 詩郎
惚れ惚れします
僕には理解できない
高城 蓮太郎
理解しろよ
ドッッ
海瀬 将悟
クソ野郎が!テメエら如きに
この海瀬将悟が殺れるかよ
銃を撃ちながら2人との距離をつめる、狙いは秋元
秋元 詩郎
超危ねえこのオジサン!
しかし高城は海瀬に向かって容赦なく引き金を引く
高城 蓮太郎
結局特攻か…気合は十分だが
戦闘IQは低いようだ、死ね
バンッ  バンッ     
海瀬 将悟
(奴は銃を撃つタイミングが掴めねえ…
俺じゃあ絶対に躱せねえ、ならば…)
バッ
海瀬 将悟
やかましい!
頭と心臓さえ撃たれなきゃ
俺は死なねえんだよおお!
海瀬は心臓と頭だけを覆い、凶弾の中奴に突っ込んだ
高城 蓮太郎
なに…なんだこの男は
それを見た高城の顔から余裕が消える


そして高城の間合いに入った海瀬が
金砕棒を振り上げる
ヒュッ …
海瀬 将悟
オラァアアア!
イソギンチャクになっとけぇ!
高城 蓮太郎
振りがデケェんだよ
腹がガラ空きだ
高城は超反応でナイフを抜く
高城 蓮太郎
もらったぁああ!
ドッッ
海瀬 将悟
サラシを巻いて
腹筋を固めた俺を舐めんな…
高城 蓮太郎
な!?深く入らない!
高城のドスは海瀬には深く刺さらなかった
海瀬 将悟
全身の骨を粉にしてやらぁああ!
バキィッッ!!
高城 蓮太郎
グウウウウウ!?
海瀬の渾身の一撃が遂に高城を捉えた
海瀬 将悟
ドラァアアアアアア!
吹き飛べクソ野郎!
ブンッッッ
高城 蓮太郎
グオオオオオオオオ!
高城 蓮太郎
(この男なんてパワーだ…)
高城はとっさにガードしたが、海瀬のパワーによって
吹き飛ばされた
海瀬 将悟
(クソが…最初に撃たれた
太腿の方がやべえ)
〜五十嵐side〜
海瀬と高城が戦闘中、秋元は五十嵐を狙っていた
秋元 詩郎
往生際が悪いなぁ大将なら
カッコよく死んだらいいのに
五十嵐 幸光
グオオ…
五十嵐 幸光
(駄目だ…反撃しようにも
一切隙がねえ、なんだコイツは)
そして秋元が五十嵐を射程圏内に捉える
秋元 詩郎
お遊びはおしまい
潔く散ってください
五十嵐 幸光
はぁあああ!
バサッ
秋元 詩郎
おっと!?
その瞬間五十嵐は
秋元の顔目掛けてジャケットを投げつけた
ダッ
五十嵐 幸光
悪いな…俺は諦めが悪いんだ
秋元 詩郎
見えなくても関係ないよ
この辺でしょ?
パンッパンッパンッ
五十嵐 幸光
うおおおおおお…
ガアアッ!?
秋元の弾丸一発が五十嵐の太腿を捉えた
五十嵐 幸光
ぐおお…クソったれが…
それにより歩行能力を失った五十嵐に
抵抗する力はもうほとんど残されていなかった
カチャ
秋元 詩郎
チェックメイトだね
組長さん
タタタタタ…
秋元 詩郎
ヒュカッ……ドサッ…
三神 大輝
い"で…カヒュッ…
秋元 詩郎
あっぶなぁ…!!?
な…なんで生きてるんだ!
五十嵐 幸光
大輝!!生きてたのか!
三神 大輝
ヒュー…ま"ぁ、ヒュー…ぎり"ぎり"…
五十嵐 幸光
あの状況でよく生きてたな
三神 大輝
の"どど…ぜな"がどカヒュッぢょっどだげ、がみ"の"げが…
ぁ"っ、や"げま"じだ…ま"じでヒュッ…じに"、ぞゔでず…
あと上着とシャツと腕の布、マジで最悪
秋元 詩郎
(アイツはもう虫の息だ
先に組長を殺してからでいいだろう)
カチャ
五十嵐 幸光
っ!!
三神 大輝
ヒュー…ヒュー…
間に合わないっ…!
スッ
一条 康明
親父から離れろクソ外道が…
秋元 詩郎
うっ!?
一条 康明
とりあえず死ね!
クソガキィイイイイ!
シュカッッ
秋元 詩郎
クゥウウウ!?
一条さん!!なんで来れたのかわからんけど!
秋元 詩郎
一条か…厄介な奴が来たな
ちょっと時間かけすぎちゃったね
パンッ         シュッ
一条 康明
俺に当たるかそんなもん
すごい…あの秋元の弾丸を躱せるなんて…
秋元 詩郎
嘘だろ…撃つときの殺気は消してる
なんで簡単に躱せる
一条 康明
初対面 誰か知らんが 地獄行き
ドッッ
一条 康明
派手に死ね 次は逃すか クソガキが…
秋元 詩郎
ぐううう!?めちゃくちゃ速え!
なんだいこりゃあ!
一条さんが閃光のような横薙ぎを見せる
一条 康明
臭え腹の中、一旦全部出しとけよ
シャッッッ
秋元 詩郎
やっべええええええ!?
しかし秋元も超反応、皮一枚で躱した
と、思った…
秋元 詩郎
ガアアアアアア!?
三神 大輝
!?
なんだ急に?…!秋元の右足にナイフが!!
さっき腹を裂こうとした時にやったのか…?
秋元 詩郎
マジかよ…
ザ…ザ…
一条 康明
待ってるぞ 地獄で閻魔が お前をな
秋元 詩郎
何この人…エグ過ぎるでしょ
一条さんが秋元に止めを刺そうとしたその時
秋元の窮地に高城が気づく
高城 蓮太郎
させるかぁ一条!
死ねやあああああああ!
バンッ
一条 康明
チイイイ!
海瀬 将悟
うお!クソが!
秋元 詩郎
もう今日はお腹いっぱいだ
ビュッッ
五十嵐 幸光
むううううううう!
一条 康明
クソガキがああああ!
手榴弾!あいつまたっ!
しかも五十嵐さんの方向に!
この距離だと一条さんが間に合ったとしても背後から受けてしまう!
俺がっ…
グッ…
三神 大輝
っ…
五十嵐 幸光
大輝!?
ガバッ…       ドォオオオオオオオンッッッッ
五十嵐 幸光
ぐううううううう!
三神 大輝
ガッ…ぁ…ケホッ、ケホッ…ガハッ…
ビチャ
くそ、が…喉が…切れた…
高城 蓮太郎
今日はここまでだ…
五十嵐、お前は必ず殺す
秋元 詩郎
ナイフは記念にもらいまぁす
ブォォォォ…
三神 大輝
ヒュッ…ま"、で…
アイツら…は、絶対に殺す…
三神 大輝
あ"ぁ…?ハッ…あ"じ…カヒュッ…ゔご、がな"…
ガクッ……ポスッ
一条 康明
大輝!?おい!
五十嵐 幸光
意識が無い、早く医者に連れて行こう
海瀬も行くぞ
海瀬 将悟
…わかりました
〜〜〜〜
一条 康明
氷室、大輝の容態はどうだ
氷室
まだ意識は戻ってないが
なんとか一命は取り留めた
一条 康明
そうか、感謝する
氷室
じゃあ俺は海瀬の様子を見てくる
コツ…コツ…
一条 康明
…大輝、お前は無理しすぎなんだよ
少しくらい休め
海瀬 将悟
様子はどうだ
一条 康明
多分しばらく意識は戻らないだろうな
海瀬 将悟
そうか…
一条 康明
海瀬 将悟
…なぁ
海瀬 将悟
なにしれっと手握ってんだよ
一条 康明
別にいいだろ
海瀬 将悟
なら俺もやる
一条 康明
駄目だ
海瀬 将悟
なんでだよ!
一条 康明
お前が握ると握力強すぎて痛いだろ!
海瀬 将悟
お前俺のことなんだと思っt
氷室
静かに
一条 康明
海瀬 将悟
氷室
お前ら病院では静かにしろって
知らなかったか?
海瀬 将悟
いや、だって…
一条 康明
こいつが…
氷室
ん?
海瀬 将悟
…すみませんでした
一条 康明
…すみませんでした
その後意識が無い間色々な人が見舞いに来たが、
全員最後は氷室に追い出される形で病院を去った


そんなことは梅雨知らず
大輝は穏やかにベットで長期間伏せっていた
See you next time

プリ小説オーディオドラマ