第51話

気づいたこの気持ち
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2021/09/25 14:13
千冬「猫?!」
あなた「家で飼ってるの猫のイトだよ。可愛いでしょ?」
あのまま文化祭を抜け出して自分の家に帰ってきた。
……初サボりだ。家の鍵を持っててよかったけど、リュックとか全部置いてきちゃった…。
でも…もう学校戻れないし…
千冬「オスですか?メスですか?」
あなた「あ…オス…だよ?」
千冬を警戒してるのか私の足元を離れないイト
イトは飼い始めてから甘えん坊でよく私の足元でウロウロしてる。
けど、今は千冬がいるから…怖いかな…
あなた「千冬…?イト男の人好きじゃないから…」
千冬「?どうしてですか?」
あなた「捨て猫だったから…なのと…三ツ谷くんの事ずっと嫌いで……」
……三ツ谷くん…今頃……























































千冬「あなたさん。」
さっきまで、千冬はイトに近づこうと床で座っていたのに…私が座ってたソファの隣に腰掛けた。
あなた「何……?」
千冬「ずっと泣きそうですよ…?」
あなた「そ、そんな事ない…!」
千冬「そんな強がらなくても俺とイトしかいませんよ?ほらイトも心配してますよ?」
さっきまで千冬に構われて警戒してたイトは私の膝に丸まっていた。
あなた「千冬………」
千冬「はい。」
あなた「私ね…


























































三ツ谷くんの事好き……いつもいてくれて助けてくれて…それでね……それでね……」
千冬「はい。ゆっくり言ってください。」
ポロポロと涙が出てきて、イトに涙が落ちた。けど…涙は止まらない。
あなた「かっこいいんだよ…三ツ谷くん…けど…三ツ谷くんは…あの人と付き合ってて……私…どうすればいいの……このまま三ツ谷くん…の事…好きで…いちゃダメなの…かな…もう三ツ谷くんと今まで通りに…いたら…彼女さん…に…」
そのあとも私は泣いた。
ずっと気がつかなかったんだ私は。
いつも当たり前みたいにいたから…好きって分からないって思ってたけど…
最初から…ずっと好きだったんじゃん…
だからこんなにも…心が痛いんだ…















































































千冬「泣きやみました?」
あなた「目がヒリヒリする…」
千冬「目真っ赤…明日が日曜でよかったですね…」
あなた「うん……」
ゴシゴシ目を擦っても…ヒリヒリする…
千冬「掻いちゃダメっすよ…!」
あなた「でも目…」
千冬「蒸しタオル作るんで待っててください!タオル借りますね!」
あなた「うん…ありがとう」






























千冬「で…目大丈夫そうすか?」
あなた「おかげさまで…でも腫れは引かなそう…」
あー…すんごい久しぶりに泣いたな…
転生して初めて泣いたかも…
千冬「あなたさん…今思ったんですけど…」
あなた「?なに?」
千冬「なんで三ツ谷さん誘わなかったんすか?文化祭一緒にまわるほど仲良くないんすか?」
あなた「……手芸部で忙しそうだったし…その…誘うの…気が引けたっていうか……誘えませんでした…」
千冬「…あなたさんって慎重なんですか?」
あなた「だって…気づいたのさっきだし…千冬は好きな子いないの…?」
千冬「俺はいないすねーそーゆうのは。俺は動物が好きなんで」
あなた「もったいない…顔いいのに…」
千冬「ほめてるんですか?貶してるんですか?」
あなた「ほめてるよ?」
千冬「ならいいっすけど…」




































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