第26話

距離が遠くなった
7,076
2021/08/17 13:34
近くの病院に行くと案の定私は捻挫していた。
人生初の捻挫!!
三ツ谷「やっぱ捻挫か………。」
あなた「意外に包帯巻くもんなんだね!」
三ツ谷「はしゃぐなよ…。たく足やってんじゃ一人暮らしのお前はしんどいだろうが…」
あなた「そう?1週間ちょいで治るってお医者さん言ってたよ?」
三ツ谷「その1週間何があるんだ?学校もあと4日ぐらいで始まんだろ…」
あなた「私家から近いから大丈夫だよ?もう歩けるし。」
三ツ谷「お前は心配してるんだぞ?」
あなた「余裕だよ?」
三ツ谷「はぁぁぁ…こりゃ言ってもダメかよ…」
あなた「いや本当に大丈夫だよ。」
三ツ谷くんの前で歩いてみせると
三ツ谷「嘘つけ」
コツンと三ツ谷くんは足を突いた。
あなた「いぃ……!」
三ツ谷「ほらな。」
あなた「三ツ谷くんが足触るから…」
三ツ谷「痛てぇんだろ。」
あなた「いやバイクまですぐそこだから歩くよ…」
三ツ谷「悪化したらやだろ」
あなた「しないよ!流石にこんな少しで悪化するほど体もろくないから!」
三ツ谷「……せめて転ばないように手は繋いで歩け…」
あなた「どんだけ心配してんの?!同い年だよね?!」
三ツ谷くんに手を握られて歩くけど、本当に距離短いのに…
あなた「私って頼りないの?」
三ツ谷「頼らねぇって言うより危なっかしくて見てらんない」
あなた「そんなに…?」
三ツ谷「お前ナンパされるわ足捻挫するわ俺の心配も少しは気にしろっての。」
あなた「大丈夫だって…そんな心配私にしちゃ好きな人に勘違いされちゃうよ?」
三ツ谷「………………そーかよ」
三ツ谷くんは少し悲しげな表情をしているように見えた。
でもすぐにいつも通りに戻った。
三ツ谷「じゃあそろっと帰るか」
あなた「うん!」
だってそうだよ。三ツ谷くん好きな人いるんだから
私が邪魔して言いわけないじゃん。
元はこの世界に私はいなかったんだし…
漫画で三ツ谷くんはかっこいい大人になってる。
彼女や奥さんがいてもおかしくないよ…
まだ…漫画読み切ってなかったけども…
三ツ谷くんにはお似合いの人いると思う。




















































その後家に送って貰って家に着いた。
特に会話はなかった。
静かな家は少しだけ寂しいなって思った。
あなた「はぁぁぁ…疲れたなぁ…」
ソファに倒れるようにして転がる。
………三ツ谷くんに好きな人かぁ…
私も恋愛した方がいいのかな…
頼れる人がいれば三ツ谷くん安心してくれるかな…
あなた「うーん。いつまでも頼ってばっかじゃなぁ…」
悪い気するし…
あなた「いや彼氏できないか。」
根本的に無理だ…
























































麻弥「え?足折れてんの?」
あなた「捻挫だよ。」
夏休みがあけて二学期が始まった。
早いもんよ。
麻弥「え…痛い?」
あなた「今はあんまり、まだ走れそうにはないかな」
麻弥「よくもまぁ…三ツ谷が心配するわけよ。」
あなた「え?」
麻弥「いやなんでもありません。」
あなた「それよりも今日は早帰りでいいね…。今日あっても真面目に授業受けれない…」
麻弥「まぁ…明日から普通に授業も部活もあるからね…」
あなた「夏休みは宿題はすぐ終わったんだけど…あとはずっとテレビか本だった。」
麻弥「えー…私ずっと作品作ってた…」
あなた「すごいね…後で見せてね!」
麻弥「うん!」
この日、私は三ツ谷くんと話さずに学校を終えた。

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