第29話

呼んでないのに…なんで…
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2022/02/23 04:22
三ツ谷「おい…煽んのもそこまでにしとけ。」
不良「へぇ…呼んでくれたのか?お嬢ちゃん??」
呼んでないよ…
連絡だってなんも入れなかった。
私はずっと気絶してたんだから。
あなた「…………………………………………。」
三ツ谷「悪ぃな。俺今すげー気がたってるんだわ。」
不良「あぁん?」
三ツ谷「今すぐこいつから離れねぇと
































































殺すぞ?」
私でさえも三ツ谷くんの殺気に気がついた。
不良「ハッ!上等じゃねぇか!こっちは人質がいるんだ。土下座して前に俺らをボコボコにした事謝ってサンドバッグにでもなってくれりゃお嬢ちゃんは返してやんよ!」
三ツ谷「聞こえなかったか?」
ドンッ
1番前にいた不良はいつの間にか倒れていた。
三ツ谷「どけっつってんだろ」
不良2「う…動くんじゃねぇ!!こいつがどうなってもいいのか?!」
怖気ずいたのか2人は私の近くに来て、1人は首の辺りに鉄パイプ。もう1人はバットを持っていた。
三ツ谷「なぁ…お前ら。ちょっと説教の邪魔すんな。そいつはなぁ…俺がいくら心配しても大丈夫しか言わねぇやつで、バカみてぇにお人好しなんだよ。でもそろっと本当に説教しねぇとなんだよ。」
不良2「く、来るなぁ!!」
もう1人はバットを持ったまんま三ツ谷くんの方に向かっていったけど、鈍い音がした後に倒れてしまった。
不良3「おい!!何してんだよ?!」
あなた「離して。」
不良3「あァ?!うるせぇ黙ってろよ?!」
あなた「離さないと…貴方達本当に殺される」
目で分かる。あれは本当に怒ってる。
殺気がドバドバ出てる。いつもの冷静な三ツ谷くんじゃない。
不良3「離しても殺されんだろうがァ?!」
あなた「させない。だから紐を解いてよ。あとその倒れてる2人を連れて行った方がいいよ」
不良3「…ックソがッ!!」
するともう1人はバットを捨てて私の紐を解き、倒れてしまった2人を引きずりながらどこか行ってしまった。
あなた「……………………」
三ツ谷「…………………おいあなた…」
私は紐が解かれてすぐに走った。
今の三ツ谷くんは冷静なんてもんじゃない。
目がいつもと違う優しい目じゃない。
だから…怖い。さっきの不良が優しいすら思ってきた。
あなた「ハァハァ…」
貧血な私が…頭とお腹が痛い私が追いつかれるのは目に見えてる。
でも…あんな三ツ谷くんに助けて欲しくない。
三ツ谷「おいッ待て!!」
私は転んでも立ち上がって走った。
道路にポタポタ血が落ちてった。
でもさっきの倉庫から出ると分からない道…でも走った。
三ツ谷「頼むッ!!待てッ!止まってくれッ!!」
あなた「やッ…!!」
私は三ツ谷くんに腕を掴まれてしまった。
あなた「離してッ…!」
三ツ谷「落ち着けってッ!!お前走っていいわけないだろッ?!なんで逃げんだよッ?!」
あなた「……今の三ツ谷くん怖いッ!!」
私が言った一言で三ツ谷くんの掴まれてる手が緩んだ。
三ツ谷「………それでも俺はお前が心配なんだよッ!」
あなた「離してッ!ねぇッ?!」
私が三ツ谷くんの掴んでる腕を片方の手で外そうとすると三ツ谷くんはもう片方の手で私の手を掴んだ。
三ツ谷「お前があんな目にあって俺が正気な訳ねぇだろッ?!」
三ツ谷くんは私の顔をグッと上にあげて三ツ谷くんは自分の目を見せてきた。
そこで私が見た目は…殺気がドバドバ出てた目じゃなくて





























































涙で濡れた目だった。
あなた「み、三ツ谷…くん…」
三ツ谷「とにかく…病院行くぞ…救急車呼ぶ…」
すると三ツ谷くんは掴んでいた手を離して、そっぽ向いて携帯電話をかけていた。
…………怒ってなかった…
心配してたんだ…
私は三ツ谷くんが怖くないって気づいた途端、足に力が入らなくなった。
三ツ谷「あなたッ!」
そして私はそのまま倒れてしまった…
そっか…死ななくてよくなったんだ…
私が瞼を閉じる時に見たのは、焦っている三ツ谷くんだった。

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