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第1話

自殺少女に恋した僕(1)
37
2023/02/24 09:05
よく晴れた空、
真っ白な雲、
そしてそこに似合わない僕。
この冴えない物語の冴えない主人公を務めます。
永井です。よろしく。
友達
友達
永井くん。
僕
わっ
友達
友達
ご、ごめんね。
驚かせるつもりじゃなくて…
僕
あ、いや、大丈夫…
なんだこの会話。
僕はみての通りの典型的なインキャです。
友達
友達
じ、じゃあね…
僕
う、うん…
気がつけば学校に着いていたようだ。
今日からだるい日常が始まるんだ…
辛すぎる…でも、
僕には陰ながら見つめている天使がいる…!
僕は教室の扉を静かに開く。
ガラガラガラ…
視線が怖いな…。
クラスのみんなになんて思われているんだろう。
女子1「…でさぁー」
女子2「マジィ〜?やばすぎでしょー」
女子1「それなぁ」
あの子
あの子
みんな大変だねぇ。
いた!僕の天使!!
声に出さないように歓声をあげる。
今日の笑顔も可愛いなぁ…
ふと、彼女と目が合った。
僕は慌てて逸らす。
危ない…。まさか見られるなんて…
一度顔を上げると、まだ天使は僕のことを見ていた。
あの子
あの子
(o^^o)
恥ずかしそうに笑顔を見せる。
僕
(くぅーっ、可愛すぎるだろ…)
僕は昇天しそうになるのを防ぎつつ、自席に座った。
数日後…
放課後、僕は部活で少し下校が遅れていた。
僕の部活はガーデニング部。
全生徒から全く見られていない
中庭のガーデニングをするのが仕事だ。
そろそろ廃部になりそう…
男モブ
男モブ
好きですっ!付き合ってください!!
やばい、告白セリフを聞いてしまった!
相手は誰なんだろう?
好奇心に駆られ、隠れて返事を伺う。
あの子
あの子
えっと…
なにぃ!?お相手はまさかの天使だ!
頼む!フラれてくれ…!
あの子
あの子
ごめん、きっと悲しませちゃうから。
よかった…。ほっと一息ついていると、
男モブ
男モブ
そんなことない!僕は悲しまない!!
あの子
あの子
ほんとに…
男モブ
男モブ
お願いますっっ!!
あの子
あの子
えぇ…
しつこいな…
僕は見かねてついつい声をかけてしまった。
僕
ぅあ、あの……
男モブ
男モブ
うわあっ!
あの子
あの子
ビクッ
あ、驚いた。可愛い。
僕
し、しし、しつこいと、き、嫌われる、よ
めちゃくちゃ噛んだ。ダサ、僕。
男モブ
男モブ
く、くそっ!
目に涙を浮かべながら彼は去っていった。
僕
…。
気まずすぎる…。なんとかこの状況を打破しなければ…
あの子
あの子
ありがとっ!
永井くんって優しいんだね。
僕
へぁっ!?
驚きすぎて変な声出た!恥ずかし…
僕
そんなことないよ。
当たり前なことしただけさ。
……なんて、言えたらいいけど。


相変わらず僕は黙ったままだ。
あの子
あの子
じゃあね!また会えると…
はっと天使が口を塞いだ。
なんだ、どうしたんだろう…?
あの子
あの子
じ、じゃあね!
焦ってて可愛いなぁ…
あ、またねって言い忘れた。
僕ってほんとなんもできないな…
告白もできないし…
てゆうか、顔赤くなかったかな!?
そんなことを考えつつ、僕は帰路についた。

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