「威吹さん」と名前を呼ぶ声が聞こえて目を覚ます。昨日、異能を使った影響なのか胸焼けがする。
僕は自室のベッドで寝ているが、敦君はリビングにあるソファーで寝ていた。
まさか宿敵である武装探偵社の社員と寝泊まりする羽目になるとは……。
携帯に手を伸ばすと、メールが来ているのに気付く。誰からのメールなのかは予想はしている。確認すると、案の定ハイセ君からだった。
タケさんが作り置きしてくれたカレーを朝食に、集めた情報を敦君にも提供してある程度探す範囲を定める。二手に分かれて探したい所だが、敦君は携帯もなければ道も分からない。なので、暫くは二人で行動することにした。
食べ終わった後は出掛ける準備を済ませ、外に出る。歩いている最中、敦君が喰種について聞いてくる。
喰種知識の一つとして、半喰種や赫者、クインクス等の説明を簡単に敦君に話す。
異能が効果的に効く相手、効かない相手も中には居るだろう。僕の異能はまた別だが。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。