“人食い虎”が近くの廃墟ガレージで暴れてると言う通報を受け、訳あり捜査官で余り良く思われていない僕が仕事を押し付けられてしまった。目的のガレージに辿り着くと、騒音が聞こえ、僕達は中へ入る。
そんな話をしていると、虎が容赦なく襲いかかって来る。だが、虎がただ人を襲うにしては違和感があった。
虎の動きや威力は、単純に“襲う”では無く、まるで僕達と“戦闘”しているかのようで、速く、強く、普通の動物にしては不自然でしかない。重ねられた積荷を壊した破壊力なんて、凄まじいものだ。普通の虎なら有り得ない。
瓜江くんが虎の攻撃を避け、不知君がクインケを当てようとするも、虎はガレージの壁に移動し、攻撃をかわした。
虎が才子ちゃんの方に飛び掛る際に爪を立てて、空中で引っ掻く素振りを見せると、青い光のようなものが出て才子ちゃんの後ろにある積荷が三等分に斬られた。
瓜江君に言われ、僕がどうするか考えていると「其れは“人間”だよ」と声が聞こえ、入口の方を見る。逆光で姿は良く見えないが、その人物がゆっくりとこちらへ歩いていくにつれ、姿がハッキリ認識出来るようになる。
やって来たのは、喰種に襲われて僕達が助けた若者。名前は確か……影嶺威吹と言っただろうか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。