第13話

マジかよ
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2019/02/02 14:34
駆け足で職員室に向かうとその途中

先程購買に向かったあなたたちが居た。

声をかけようかと悩んだが、

話してる最中だったので話しかけなかった。
そういえばさ…
敦也のことを思い出したの?
は?思い出した?なに言ってるんだ?

愛の言ったことが理解できず、俺は首を傾げた。
仲良いからもしかして
思い出したのかなって
仲良いってまえからずっとあんな感じじゃん。

思い出すって何だよ
紫音
その様子だと思い出してないのね?
あなた

うん残念ながら。

彼女は少し悲しそうに笑う。

そういえば俺のこと最初

“敦也くん”って呼んだよな。

あとから緊張したから間違えたって言ってた。

あのとき初めて会ったときのような感じがしてた。

俺を覚えてない…?もしかして記憶喪失…?

答えにたどり着いたとき全身の力がぬけ、

ノートがバサバサバサと落ちていく。

落ちた音でハッとすると3人がこちらを見ていた。

俺は急いでノートを拾う。

あなたたちも一緒に拾ってくれる。

俺はノートを受け取った。
敦也
ありがとう…
そういうと彼女は優しく笑う。
あなた

ううん。これで全部?

敦也
ああ…
そのあとは沈黙が流れた。

そして彼女の目をみて尋ねる。
敦也
今の話は本当?
俺のこと覚えてないのか?
すると彼女の目が一瞬見開く。

そして俺から目をそらし、うろたえた。
あなた

え、えと…

俺は彼女の答えを待たずに話を続ける。
敦也
今日ずっと演技だったって訳?
違う、こんなことを言いたかったんじゃない。

彼女の目には涙が浮かんでいた。
あなた

ご、ごめん…
覚えて…ない…の

敦也
マジかよ…
俺は“はぁ…”とため息をついた。

こんなこと、あなたが傷つくだけなのに。

彼女の表情はどんどん暗くなっていく。
あなた

ごめんね…

それだけ言うと彼女は走り去っていった。

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