第6話

#6
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2019/04/14 09:08
 待ちに待ったはずの夢の国。テンション高めのジュンくんとゲートをくぐる。愉快なメロディを賑やかな園内。色んなところから楽しそうな悲鳴が聞こえる。おしゃれして、全力で楽しむつもりだったのに、あいつの事が頭から消えない。


『『今度の日曜、俺といてよ、』』


どういう意味よ。…いや理解はできるけど、あんな子犬みたいな顔で、言われたら…

『最初なに乗ろっか?』

ジュンくんの声で意識がもどる。眩しい笑顔でこっちを向いてる。折角の夢の国だ。沢山楽しまないと、勿体ないよね。

「んー…ジェットコースター!!」

『いきなり飛ばすね?!じゃっ、レッツゴー!!』

手当り次第、絶叫系に乗りまくった私達は、お昼頃には見事に死んでいた。

『ちょっと…トイレ行ってくる…』

ふらふらのジュンくんが立ち上がる。気をつけてと見送ってから、私も起き上がる。さすがに公共の場でベンチには寝れないしね。…お茶飲みたい。買いに行こっかな、いやジュンくん帰ってきてから。そんなこと考えていると、ペットボトルをふたつ持った彼が歩いてきた。

『どっちがいい?甘いのはいらないかと思って、水かお茶だけど』

「お茶欲しいな、ちょうど飲みたかったの。ありがとう。」

ほら、優しい。ふわふわしてるようで、ちゃんと考えてくれてる。少なくとも、ちらちら頭に浮かぶ、あいつに比べれば…。少し休憩すると、体調が戻ってきた。

「そろそろなんか食べよっか?」

『そういえば、お昼まだだったね。でっかい肉食べたいなー!!』

「私もー!!」

ほら、気が合う。食べたいもの、今の気分。ここまでピッタリあってる。アイツなんかより、絶対…



『僕ね、叶えたい夢があるんだ』

脈絡もなく話し始めた彼の方を見ると、真っ直ぐのお城を見ていた。太陽に照らされた外壁が、キラキラと光っている。

「…なに?」

『自分の好きな人と、その人が好きな人が一緒になること』

「…そこにジュンくんはいなくていいの?」

『うーん、そこが難しいんだけどね。最高に幸せに出来ないなら、いなくても…いいかな。寂しいけど』

「そっか…」

残念だけど、私はそうは思わなかった。好きな人が幸せになるなら私とがいいし、何より、他の人と生きる彼を見たくない。そんな考えは自分勝手なのかな。

「私だったら…」

『…っていう考えだったんだけど、○○ちゃんに会って変わったんだ。だから、今日はウォヌのこと考えないで。』

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