第2話

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2021/05/28 13:16
両面宿儺
両面宿儺
今思い返せば、そんな事もあったな……

年に1度、俺の元へ"生贄"が来る

いや、連れて来られる………同じか

去年は活きの良い娘だったが、半年も経たずに死んだ

死んだと言うより、殺した。

不愉快だったからな……そもそも俺の好みでは無い

俺の好みは、"一緒に居て幸せ" "心から愛したい"

これだけだった。俺の苦手と言うより

不愉快に思うのは

"ベッタリ甘えてくる" "気が散りそうになる"

その他色々あるが、今言った奴は嫌いだ。

俺が好きになれば殺しはしない

だが、今年は小さな小僧のようだ。

毎年、「女」か「小娘」だったのに

"疫病神" "宿儺に似ている" "髪色が変"
"目の下に傷がある" "身体能力がおかしい"

髪の色や目の下の傷、その他もろもろあって

何が悪い……不愉快だ…

だから俺は、生贄として連れて来た小僧の両親を殺した

小僧は驚いた顔をして
?
母さんと父さんは?
当たり前だ、小さい子にとって『死』というのは

まだ分からない事だ。だから俺は
両面宿儺
両面宿儺
お前を捨てたんだ
そう答えた

どうやら捨てたというのは分かったらしい。

大泣きした。正直、俺は泣かれるのも嫌いだ。

普通なら殺しているところだが、殺さなかった

興味が湧いた、見た目が小さい頃の俺に似ている

そういうのもあるが何より……

"俺のものにしたい"

ふとその願念が湧いた

拒絶するだろう、そう頭に置きながら
両面宿儺
両面宿儺
お前、俺の所に来ないか?
そう聞いた。意外な事にその小僧は
?
良いんですか…宿儺様……?
俺の事を知っているのか…生贄として捧げる前に教え込んだのか分からなかったが……

小僧はそのまま話を続けた
?
俺の事…食べるんですよね……
…喰うわけが無い……だが、強いて言うなら…
両面宿儺
両面宿儺
お前が"食べ頃になったら"喰ってやる
さて……どう来るか
?
!…そうですか……えっと…よろしく……お願いします!
意外だった、普通なら逃げ出すところだ

「よろしくお願いします」

それを聞いた途端、この小僧は『死』を頭に入れつつ俺の元へ来たのだなと。
両面宿儺
両面宿儺
おい小僧、名を名乗れ
?
へ………?……あ…虎杖悠仁です
両面宿儺
両面宿儺
悠仁か……
両面宿儺
両面宿儺
死ぬまでの間は、幸せにしてやる
(寿命が来るまで幸せにするつもりだけどな)
虎杖悠仁
虎杖悠仁
!……はい…ありがとうございます…!!
両面宿儺
両面宿儺
ケヒッ……面白くなりそうだ
こうして、悠仁と俺との生活が始まった

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